それと、小泉町長の持つ学位の不思議である。

私が昭和63(1988)年5月にウッドジュニアカレッジを卒業したことは間違いない。」、「卒業証書は、間違いなく、卒業式の日にウッドジュニアカレッジからもらったものである。」と小泉町長が言明している本人の卒業証書に記されている学位名は、「Diploma in Associate of Applied Arts(応用芸術短期大学士)」である。

当時の当該ウッド短大の大学要覧(Wood Catalog:小泉氏が在学していた期間の1985~1988年の前後を念の為含めて、1983年から1993年間のものを実査した。)を仔細に眺めても、「Applied Arts(応用芸術)」の学位コースは同校には存在していないし、従って応用芸術関連の科目というのも開講されていない。

例えば、東京大学や中央大学などの法学士の学位であれば、必要とされる法律関係の科目の履修が多くあるはずだが、小泉町長の成績証明書には芸術・美術関係科目の履修は一般教養としての美術が1科目のみであり、本人の持つ学位名と履修科目の間には関連性が全くみられない。

小泉町長は「卒業証書は、間違いなく、卒業式の日にウッドジュニアカレッジからもらったものである。」としている以上、卒業証書に記された学位名の不思議についても、これはどうゆうことなのか?町民や社会に説明する責務があるであろう。

卒業・学位取得の証明というのは、成績証明書上に卒業・学位取得に必要とされる所要の単位修得等の記録が確認されれば、卒業証書(学位記)の有無や真偽などに関係無く証明されるわけであるが、本人の成績証明書上には当該米国短大の卒業・学位取得に必要とされる単位修得がみられないことは、前回述べたところである。

小泉町長が当該米国短大を卒業したとする根拠は、残念ながら見られない。

私が調べて、理解出来た結果とは、全く相反する調査結果の「報告書」が、名古屋市中区に所在する「あすなろ法律事務所」より志賀町町議会議長宛提出されている。

当該あすなろ法律事務所の「報告書」では、「以上から、小泉氏は、「ウッドジュニアカレッジを卒業したことは事実であり、経歴に何らの詐称もないことが判明した。」と結んでいる。

当該「報告書」では、実際の調査自体は、「アメリカの大手法律事務所であるHughes・Hubbard&Reed LLPの岡本弁護士及びロビン・モリス氏に調査依頼を行った。」とある。

あすなろ法律事務所としての見解では、「本調査はアメリカの大手法律事務所であるHughes・Hubbard&Reed LLP所属の弁護士らが調査したものであり、その信用性は極めて高い。」としているので、アメリカの大手法律事務所の岡本弁護士らによる調査結果というのを、疑問点の質問や検証するようなことはせず、其の儘丸々信用して、結論付けたということになろう。

アメリカの調査について、疑義があれば同弁護士らが答えることになっている。」ともあるので、調査の内容に疑問が生じた場合でも、当該あすなろ法律事務所には責は無く、生じた調査の疑義への責任は全てアメリカの大手法律事務所の岡本弁護士らにあるということであろう。

アメリカの大手法律事務所の岡本弁護士らによる調査結果では、
卒業するためには、合計64セメスター単位を終了し、成績評価点の累加平均2.00(C)を取らなければならないが、小泉氏の正式な成績証明書によれば、同氏は、累積合計として65セメスター単位と成績評価点の累加平均2.65を取得しており、卒業に必要なセメスター単位を終了している。
としているが、大学や短大等の高等教育機関では学位コース毎に必要とされる必修科目などが定められているものであり、普通これだけの要件で卒業出来るところは存在しない。

ウッド短大の卒業要件は、以下のようになっている。(Wood Catalog P27)

1、Complete the core curriculum for his degree.(選択した学位の必修科目の修得)
2、Elect courses to complete 64 semester hours.(64セメスター単位の修得)
3、Have a cumulative grade point average of 2.00(C) for all courses presented for graduation.(平均成績評価点2.00(C)の取得)
4、Complete a minimum of 30 semester hours at Wood.(最低30セメスター単位をWood短大にて修得)
5、Have been enrolled in Wood for the last semester of his academic work.(最終学期にWood短大に在学していること)

調査の基準となることからして、こうも違っているようでは調査結果の精確性など期待のしようも無いであろう。

アメリカの大手法律事務所の岡本弁護士らというが、一体どうしたことだろうか?

当該あすなろ法律事務所も、普通の人であれば思い付くような疑問を聞く事や、依頼した調査結果について検証するようなことはしていないようであるが、案件によっては依頼した調査には一切疑問を持たないというポリシーか何かなのであろうか。

当該あすなろ法律事務所の所長である國田武二郎氏は、小泉町長の代理人を務めており、志賀町の無料法律相談も行っている元検察官(検事生活20年とか)の弁護士である。

当該報告書の末尾には、「追って、金沢地方検察庁にも同様文書を送付し、早期に不起訴処分をすることを上申した。」とあるので、当該あすなろ法律事務所の國田所長は、只管アメリカの大手法律事務所の岡本弁護士らの調査結果を正しいものと信じて、依頼人である小泉町長に掛けられた”あらぬ経歴詐称の公職選挙法違反”の疑義を晴らすべく、長い検事生活での経験・知己を生かして、検察当局に大いに働きかけたであろうことが推察されよう。

当該あすなろ法律事務所の報告書が事実であれば、アメリカの大手法律事務所の岡本弁護士らによる調査というのは、杜撰粗漏であったと言う外ないであろう。

アメリカの大手法律事務所による杜撰粗漏な調査結果を正しいと信じたばかりに、刑法犯の疑いの明らかな者を若し隠避していたとしたら、元検察官であった弁護士として、その慙愧の思いは如何ばかりかと思うのだが?

当該報告書の内容が事実であれば、國田所長らのあすなろ法律事務所は、アメリカの大手法律事務所の岡本弁護士らによる杜撰粗漏な調査による、”被害者”という立場になろうか。

当該報告書を素直に読めばそうゆうことになってしまうが、Hughes hubbard & Reed LLPの岡本弁護士らによる調査というのは、一体どうゆうものであったのだろうか?

<参照>
Wood Junior College Catalog 1987-89(83-85、85-87、89-93年度版も、卒業要件、学位や専攻、開講科目といった主要部分に変更は無い)

名古屋あすなろ法律事務所による「報告書」

名古屋市所在の「あすなろ法律事務所

Hughes Hubbard & Reed LLP」ー岡本弁護士