去る2月21日の志賀町議会全員協議会で、小泉町長とその代理人弁護士は、留学先だった米ウッド短大の「成績証明書」を提示し、代理人弁護士による「報告書」というものも提出して、”小泉町長が卒業した事実、学歴には何らの詐称もないことが判明した”と主張したわけだが。

@ 提示された小泉町長の米国ウッド短大の成績証明書には、本人が取得したとする学位「Associate of Applied Arts(応用美術准学士)」の記載は無かった。(

@ 就学期間について、入学期・年は記載があるが、終業卒業期・年の記載が無い。

@ 履修科目の内容も、小泉町長が取得したとする学位である「応用美術(Applied Arts)」との関連はみられない。

@ 当時のウッド短大カタログ(ウッド短大案内)には、そもそも応用美術といった専攻コースや、応用美術准学士といった学位は、同校には存在していない。

短大の正式の個人教育記録であり永久保存書類である成績証明書上に、授与学位の記載がなければ、それはその学生は「学位の取得は無かった」と理解する以外ないであろう。

日本でも、アメリカ合衆国はミシシッピィ州でも、正式記録上に記載が無ければ、それは「無い」というのが普通の人間社会でのこと。

「無い」ものは、無いと言う事だろう。

提示された成績証明書からは、学位を取得し卒業した事実は無いことが解り、小泉町長が保有する学位記(卒業証書)の真正性を証明するものは何も見当たらない。

学位や卒業といったことは、弁護士が勝手に授与したり出来ることではないので、「無い」ものを「いや有る」とするには、余程明確な根拠資料を示して、正式記録の間違いの可能性を解析・指摘し、論理的にしっかりと説明される必要があるわけだが、町長代理人弁護士による「報告書」というのは、既述された内容の根拠が示されておらず、”調査した弁護士が信頼出来る”と言うばかりの曖昧なもので、根拠薄弱。大変遺憾であり、残念なものである。

2月の全員協議会の場でも、成績証明書は回覧後回収されたというから、参列者が提示を受けた成績証明書の内容をその場で理解・吟味し、質問をすることは時間的にもチョッと不可能だったろうし、的確な質疑応答がその場で為されたとは考え難い。

町長代理人弁護士による一方的な”報告”で終わっていたろうか。

「町民による告発がされているので後は司法の判断に、」ということで、その後も質疑応答の機会などは持たれていないようだが、質問や応答の会話が無いことは、町民・町長お互いにとって不幸なことだろう。

小泉町長にしても、本人自身では些か説明が難しい問題であったからこそ、代理人弁護士に事実調査を依頼し、今や卒業の事実を確認出来ると信じる調査報告を受け取っているのであろうから、”町長への信頼を著しく損ねる、謂れの無い、不名誉な「学歴詐称」との疑惑”に対しては、御自身で、或いは代理人を通して、大いに答えたいと思っているものと、普通なら考えられよう。

公に質問されないので、小泉町長や代理人弁護士らは、2月の全員協議会の場での報告で議員・町民全員がこれで納得したものと理解しているやも知れず、代理人弁護士が提出した報告書の大きな疑問点については、やはり一度質問をし、町長や代理人からの回答・説明を得る機会を持つべきではなかろうか?

@ 報告書には必要単位数などの卒業要件が記載されているが、単位数や必修科目などの卒業要件は専攻コースによって決まってくるものであり、小泉町長が取得したとする応用美術(Applied Arts)という准学士コースはウッド短大に当時存在していない。報告書に記載した卒業要件の根拠は一体何なのか。

@ 報告書では、「成績証明書の中身から卒業に必要な単位が取れているかどうか検証すれば、それで卒業したことが明確になるところ」とし、「同氏は65セメスター単位を取得している」としているが、どのような成績証明書の中身の検証をした上での話なのか。

@ 本来開封無効である成績証明書を、わざわざ開封した状態で提示したことについても、その理由を聞いておくべきであろう。

「疑問があれば聞く、それに答える」と言うのは民主主義社会の基本だろうし、一町民や部外者の個人では町長や代理人もなかなか応答してくれないと言う事があるかも知れないが、町民の声を代表するオンブズマン志賀という立派な組織もあるようであるし、町民を代弁する町議会議員の中にも、代理人弁護士の説明では納得出来ず、疑問を持っておられる方も多くおられよう。

代理人の國田弁護士が若し、性格的に民草への説明は些か不得手である、と言う事でもあるのであれば、報告書に連名のある、立派な印鑑を持つ弁護士の方が他にもおられるのであるから、他の方が説明すれば良い話。

ある程度の数の町民からの質問の形であれば、町長として無視も出来ないだろうし、日本は江戸時代や北朝鮮ではないので、そもそも質問に応答しないという事はないだろう。

応答説明にも納得性が無い場合には、小泉町長が保有する米国短大の学位記(卒業証書)は、本人が真正に取得したものではないことになり、町長選挙の時などで学歴を公にしていれば、公職選挙の法を犯していたと考えられることとなる。

志賀町のホームページなどで小泉町長学歴を、「最終学歴  米国ウッドジュニアカレッジ卒業」としているのも、不適切なこととなるだろう。(

「オンブズマン志賀は民事訴訟も辞さない、」というような事が新聞記事にあったようであるが(朝日新聞石川版9月30日)、犯罪があると思料されるときは、民事ではなく、刑事告発の対象だろう。

告発は既にされているが、告発というのは”先着一名様限り”というものでも無いのだろうし、検察も対応結果については告発者に通知くらいはしてくれるのだろうから、告発しておく意義はあることと思われるが。