”非公開の密室会談で終わらせようでわないか”との、馬鹿げた提案も小泉町長サイドから一時はあったようだが、密室で公に知られずに事を進めようとの発想は、談合や汚職といったことと思考の軌を一にするものであり、町長という公職にある者ならば、例え雇った弁護士から、民主主義の基本を踏み躙るような、このような無責任な提言があったとしても、「町のためそれは出来ぬ」と一蹴するくらいの気概が欲しいところだが、私利私益の保身に執着し公益を忘れたかのような姿勢というのでは、些か見苦しい。

「小泉町長の学歴問題については,本議会では2月21日(月), 午後1時から議会全員協議会を開催し,町長から説明を受ける予定をしております。議会全員協議会は,マスコミに公開して開催する予定であります云々。」

との事に落ち着いたようで、これでやっとこの問題への解決の一歩が踏み出せることとなるだろう。

小泉町長からは、「間違いなく卒業している」ことの根拠となる成績証明書を提示して、具体的な説明があることと思うが、コイズミマサル氏の米国短大成績証明書上に、卒業の事実と、授与された学位(Associate of Applied Artsー応用美術准学位)が明記されていれば、小泉町長がかねてより主張していた通り、間違いなく卒業していたことが、ここに晴れて確認されることとなる。

若し、成績証明書上に卒業や授与学位の明記が見られないような場合は、

「どうされました?」

ということで、質疑応答がされることになるのだろう。

小泉氏の学歴事情は他ならぬ本人が一番良く知っている事であり、本人が説明し、質問疑問があれば本人がこれに答える、というのが、最も解り易く、当たり前に自然なことであろう。

今回は一般町民は参加傍聴などは出来ないようだが、この問題の解明の原点となる町長の成績証明書は、然るべき方法で開示して、関心のある町民は閲覧できるようにするのが望ましいだろう。

成績証明書は個人情報だから、と抵抗があるやも知れぬが、”成績証明書を開示してはいけない”という法律でもあるのならば兎も角、公職の長であり、長く待たれていた学歴疑惑への回答になるのであるから、少なくとも一定期間は公に開示されるべきであろう。

開示して不都合なのは、成績が知れることくらいだろうが、卒業出来ていたか?が攻防のラインであり、成績については一切話題にもなっておらず、まあこう言ってはなんだが、成績が良くないであろうことは町民は皆解っているだろうし、むしろ”オール優”みたいな成績証明書が提示されたとしたら、却って新たな疑惑と混乱を生じせしめることになる可能性のほうが高かろう。

さて、「成績証明書」だが、日本でも成績証明書などは就職の時に会社の人事部に提出したくらいで、その後は何十年とお目にかかる縁はあまり無い人が多いだろうし、まして米国のそれは初めて見る人が大半だろう。

さいわい、今回問題となっている、「WOOD JUNIOR COLLEGE」(ウッド短期大学)の成績証明書のサンプルをご提供戴いたので、これを眺めながら若干の拙い分析も加え、これが21日の町長説明会に参加される皆様の一助にでもなり、この問題の解決が大きく前進するようであれば嬉しいが。

小泉氏の成績証明書も、書式は同じで、内容もほぼ似たようなものが本人から21日に提出されることと思われるので、このサンプルに記載されている内容に沿って、該短大のカタログ(大学案内)などを参考としながら眺めてみたい。

本来は成績証明書を管理している、Millsaps Collegeのスカシの入ったセキュリティー・ペーパーに印刷されるが、スカシ背景は煩いので消してある。 サンプルにあった氏名・住所は其の儘では些か露骨なので、今回は黒塗りしている。

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このサンプル例だと、上部欄の氏名をはじめとする基本情報欄に本来あるべき、卒業年月日や授与学位の記載が無いので、一刀両断すれば、それは「無かった」ということになる。

基本情報欄の空所が多く、別に記録があるとか、単純な事務上の”記載もれ”の可能性も考えられるので、履修学科目や取得単位の内容について眺めてみよう。

該短大は年2学期制(Semester)で、秋学期(Fall Semester)と春学期(Spring Semester)があり、夏にはSummer Session(夏期講習 1st Termと2nd Termがある)と呼ばれる課程が設けられている。

学校事務処理が些か”ゆるい”のか、Spring 1986は2度記入されているし、Spring 1987は、SUMMER 2ND 1987およびFALL 1987の後に記されてしまっている。

肝心な単位(Credit Hours)の記載も、一番下のCUMULATIVE TOTALS(累計合計)のところの、HRS EARNED(取得単位)は65単位となっているが、これは途中の累計(CUMULATIVE TOTALS)が合わず、右欄Sem.Hr.Cred.の単位のほうは合計すると71単位となり、差異が生じてしまっている。

履修科目を眺めても、「ENG 0123 Intensive English for Int'l Students」は、Spring 1986で重複し、FALL 1986にもあるので記載が3重複(3回履修した?)している。

「PHY 2213 Physical Science Survey I」もSummer 1986と、FALL 1987に重複記載があるが、これは一方が単位0なので取得単位数に実質的な影響は無い。

FALL 1985の「ENG 0110 Intensive Basic English for Int'l Students」は3単位が記されているが、大学カタログを見ると留学生用の、英語力ゼロの者を対象とした講座であり、日本で言えば中一レベル(今年からは小学だろうか)のスタートであり、これはさすがに単位認定外(ゼロ単位)となっている。 他はカタログ記載通りの単位数であるようだ。

以上を整理すると、実取得単位数は、71-6-3=62となる。

大学カタログによれば、AA(Associate of Arts)及び、AAS(Associate of Applied Science)の両准学位とも必要単位数は64以上となっている。

当サンプル例では、やはり学位取得・卒業は出来なかったとなるだろう。

小泉氏の持つ准学位「Associate of Applied Arts」(AAA;応用美術准学位)のコースだが、普通であれば当然美術デザイン関係の学科が主となるわけで、一例としてはこんな感じになるだろうか。

http://www.pima.edu/program/the-arts/applied_arts_assoc_of_applied_arts_degree.shtml

当サンプル例では、美術デザイン関係の取得単位は、「ART 1113 Art Appreciation」の3単位のみであり、普通に考えれば、AAA専攻とするには無理があることになる。

だいいち、履修しようにも当時の大学カタログ上には美術デザイン関係の学科自体がない。

当サンプル例ではAAA準学位取得は、普通には考えられないというところになるだろう。

これで、AAA学位を取得し、卒業していたとなれば、「間違いなく卒業している」のではなくて、「間違って卒業している」となるだろうか。

尤も、AAA准学位コースが、大学カタログには載っていないものの、当時実在し、その学位取得に必要な単位数は62以上で、履修内容に関係なくAAA学位を発行していたとか、ENG 0110学科が実際は単位認定に変更になっていた等のことがあれば、話は変ることとなる。

ただ、あまりに常識外のことがあったとなれば。その学校の教育の質が今度は問われることとなるだろうか。

”当時の関係者の話によれば”というのもよく耳にするのだが、記憶に頼る話は誤認誤解の可能性も多く、質問の仕方で全く逆にとれる答えとなる場合も時にあり、やはり残された書類や記録を根拠とすることが基本となるだろう。

当方の知らない事情も多々あったことだろうし、当事者であり、事情を一番良く知っている小泉勝町長の明解な説明を期待したい。

Wood短大の当時の大学カタログ(1985-87年版及び1987-89年版)はここに参考写真を上げておいた。

http://hello.ap.teacup.com/bandoalpha/