学校法人タイケン学園が、栃木県さくら市に、「旧喜連川高絞跡地の土地・建物の無償譲渡および施設整備費2億円の市補助金」等を受けて、4年生のスポーツ系大学を新設しようとの計画に関するニュースは、「土地・建物は有償とし、補助金には応じられない」旨の市側の判断が、去る4月3日付けの下野新聞で報道されていた(引用下記)。

タイケン学園は、同市に再度要望を求めているようだが、その後の進展は無いようである。(http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/region/news/20100604/331540

「タイケン学園は大学の経営実績がないが大丈夫か」との疑問の声も、以前市議から上がっていたとのことだが(http://www.shimotsuke.co.jp/journal/politics/council/news/20091128/241438)、

同学園の柴岡三千夫理事長は、大学の経営実績がないわけではない。

1997年2月19日の設立から、2003年11月21日付けで登録抹消される迄、米国ハワイ州に「TAIKEN WILMINGTON UNIVERSITY」と称する”大学”をもっていた(http://hbe.ehawaii.gov/documents/business.html?fileNumber=107617D1&view=info)。

同法人の設立定款によれば、その設立目的には、「To operate a university to provide educational services to international students」とあるが、日本で日本人を対象に”学位のサービス”を行うというのが、行為の実態というところだろうか。

http://diplomamill.webs.com/TAIKENWilmington.pdf

そのほか、カリフォルニアに「Wilmington University」と称する大学もあったと言う。

http://web.archive.org/web/20000607100153/http://www.taikenwu.edu/

そのほかにも、「Taiken University」や、「Kensington University (Taiken Kensington University?)」と称する大学もあったという(Bears' Guide他)。

”国際的な大学”の運営には、相当な手腕と実績があることになるが、米国に「ペーパー大学」を設立し、その「日本絞」で、「米国大学の学位」と称するものを発行・販売するという、あからさまな学位商法行為(ディプロマ・ミル)と言うほかないであろう。

スポーツ系大学設立に関わる報道では、柴岡理事長による、これらディプロマ・ミル行為の報道はされていないようであり、一般には知られていない事と思われる。

日本には、称号詐称に関する法律はあるものの(軽犯罪法第1条15項)、学位商法行為そのものを規制の対象とする法律はないようであり、飽く迄も海外の別法人による行為と主張されることも考えると、報道するにあたっては、反って報道側に法的なリスクの発生も考えられるのだろうか?

一部の教育関係者による、”破廉恥行為”など今時珍しいニュースでもなく、先生や校長先生の”下半身の御乱行”に比べれば、理事長による学位商法など、ニューズ・バリューが低いのかも知れないが、学校法人の理事長としての教育に対する姿勢が問われることであり、本業に係る重要なところだろうから、破廉恥の度合いに於いては、下半身の御乱行に劣るものではあるまい。

柴岡三千夫理事長によれば、「タイケン学園は創設期から「たくましい人間」を養成目標に教義を定めてきました」とのことだが(http://www.taiken.ac.jp/about.html)、「たくましい人間」と、「狡い人間」とは、全く異なる相反するものである。

どうゆう人間を育てる積りなのか。

◇◇◇下野新聞2010年4月3日付記事◇◇◇

土地・建物は「有償譲渡」 スポーツ系大学誘致 さくら市が方針

(4月3日 05:00)

 学校法人タイケン学園(東京都板橋区)がさくら市の旧喜連川高跡地に進めているスポーツ系4年制大学進出計画について、同法人と誘致に向け協議しているさくら市は2日、法人側が求めている土地・建物の無償譲渡には応じられない、などと伝える方針を市議会に示した。市が新たな方針を示したことで、法人側が態度を硬化させるのは確実で、大学誘致に向けた協議継続は困難な状況になってきた。

 同市の方針はこの日開かれた非公開の市議会議員全員協議会で伝えられた。手塚定議長らによると、法人側が市に要望していた(1)土地・建物の無償譲渡(2)施設整備費2億円の補助-の2点について、市は「土地・建物は有償とし、2億円は経済効果が不透明な中、支出できない」との回答を法人側に提示する方針を示したという。

 市側は(1)2月の議員全員協議会で法人側が行った説明では経済効果は期待できず、2億円の支出は市民の理解が得られない(2)市内に専門学校を誘致した際、市有地を適正価格の2分の1で売却した経緯があり、無償譲渡では整合性が取れない-などと説明した、という。市側はこれらの条件を来週にも法人側に伝えるとみられる。

 これについて同法人の柴岡信一郎副理事長は「市から直接聞いていないので何とも言えないが、市のスタンスはまるっきり変わってしまったという印象だ。事実とすればわれわれの経営プランは見直さなければならない。なぜ今、方針を変えるのか分からない」とコメントしている。

 人見健次市長は取材に対し、「まだ法人側に伝えていないので現段階ではコメントできない」としている。

 協議をめぐっては、すでに3月中には市側が跡地の所有権を移転することができない、と法人側に伝えている。このため法人側は3月中に大学設置申請を行うことが困難となり、来年4月の開校を断念している。

 同法人は東京を中心にスポーツ専門学校など6つの専門学校を経営。新設大学はマネジメントなどを学び、生涯スポーツのコーディネーターなどを養成する4年制で、定員1千人の計画。 http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/politics/news/20100403/304409

◇◇◇