ハワイ州当局(Office of Consumer Protection)が、”イオンド大学”を訴訟していた裁判の判決文が公示されている。

http://hawaii.gov/dcca/areas/ocp/udgi/lawsuits/ionduniversity/

「Findings of Fact and Conclusions of Law」と「Final Judgement」の2部構成になっているが、「認定事実及び判決理由」と「判決主文」といったところになるだろうか。

既に口頭で略式判決が昨年10月17日に言い渡されており、その速記録も公示されているので、取り立てて目新しいものは無いのだが以下気付いたところ。

「Findings of Fact and Conclusions of Law」

3項、中野被告は幾度かハワイに渡航してイオンド関係のビジネスに携わっていたとの事だが、ふと思ったのだが、査証(VISA)はちゃんとビジネス査証を取得していたのだろうか? 若し適正な査証を保持せずにいたならば、移民法に抵触する可能性も有得るだろうか。

6項、イオンド大学発行の”学位記”は証拠として何枚か提出されたようだが、全て日本のイオンドが発行したものと認定されている。 これはイオンド・ハワイは名前だけのもので教育事業活動が無く、授業料の徴収も無かった(5、7、12項)ことが判断の基となっているのだろう。

若し、イオンドが自称していたように、”ハワイ州に在るアメリカの大学であるイオンド大学”の発行した学位と認定されていたならば、相当高額な制裁金額になったと思われるが、イオンドのウエブサイトやパンフレットにあった、”ハーバード大学と同じ”とか”ポーランドのウッジ大学と提携”等の虚偽表示、”大学”の住所すらも架空のものであったという(8項)、存在を装った虚偽宣伝だけで実は何の実体もなく教育活動も無かった事がかえって幸いしたというところか。

ハワイ州に於いて教育活動も学位の発行も何も実体が無かったことで、非認定校を対象とする州法446Eの対象とはならなかったのは、「怪我の功名」とでも言うべきか。

イオンドも当初はハワイでも学位を発行する気でいたようだが、学生が25人以上との州法規定の壁はイオンドにとって厚かったようだ(5、9項)。

中野被告は、イオンド大学のエージェントとして州に登録するに当たって、日本に居住していながら虚偽のハワイ住所を用いている(14項)。 登録エージェントはハワイ在住者である事との州法規定を承知していなかったと主張しても、言い訳にはならないと書かれているが(18項)、4回以上もそうゆう事をやっていれば”確信犯”であるから、悪質と判断されたというところか。

「Final Judgement」

3項、いかなるイオンド関係者も、今後、ハワイ州に於いて学位商法ビジネスに携わることが禁止されている。

イオンドに対しては虚偽宣伝等の不法商行為で$20,000ドル、中野幾雄に対しては$2,500ドルの制裁金が課されている。

イオンドはこれでハワイ州から追放されたわけだが、元々ハワイには実体が無く、日本にあるわけだが、清水徹等のイオンドの幹部は既に”雲隠れ”したようであり、最近はイオンドは活動している様子が窺えない。

http://www.iond-univ.org/

http://www.iond-univ.org/bbs/bbs.cgi#anchor1

制裁金は果たしてキチンと支払われるものか否か?

米国サイドのハワイ州に於いては、「イオンドは教育機関ではない」との裁判所の判断も下され、被告に制裁金も課されて、一応これで一件落着したわけだが、日本に於いては、偽学位や偽の称号等を販売する学位商法を行なっていたイオンド関係者というのは、何の訴追も今のところはされていない。

イオンド”大学”の創始者というのも、宗教家を気取って、”仏の教え、人の生きる道”など説いているのは噴飯モノであるが、

http://blog.livedoor.jp/nakasugi_h/

大学や社会に於いても”イオンド大学の学位”のような偽学位・偽称号を利用していた者がそのままである。

だいぶマスコミ等でも騒がれたので、さすがに、”イオンド大学学位”の看板は”自主的”に隠してしまった者が多いようだが。

とくに最高学府の大学に於いて、日本の教職の最高位である大学教授の立場にあるような者がこのようなことでは、学生が気の毒と言うものだろうか。

それにしても随分といるものだが(苦笑)

http://www7a.biglobe.ne.jp/~kikikirinnoki/taxpayers/academism/diploma_mill_aiueo.html