昨年は大きな前進をみた一年であった。

日本での、”Ph.D.ーイオンド大学博士”と言ったニセ学位や、”イオンド大学名誉博士””イオンド大学教授”などと言ったニセ称号を販売する学位商法の大手であるイオンド(IOND University-杉並区高円寺南)が、米国ハワイ州ホノルルに登記していた現地法人IOND University(A Hawaii corporation-現地には実在しない)がハワイ州当局より告訴されていた裁判の判決が下され、「IOND University」と称するものは、「米国ハワイ州における高等教育機関ではない」旨が明確に言い渡され、計$22,500の制裁が課されている。

イオンドと言うのは、”米国ハワイ州の大学の学位”を騙って高円寺南の雑居ビル(花月第一ビル4F&5F)から営業していたわけである。

文部科学省の調査をはじめ、週刊誌、新聞等での報道でも明らかなところだが、こうゆうニセ学位(文科省言うところの、真正な学位と紛らわしい呼称)が一部の針灸師やマッサージ師といった一般社会のみならず、日本の大学の中にまで浸透していたのは驚きであった。

ニセ学位の発祥は学位というものが始まった頃にまで遡るとか聞くが、ニセが出回ると言う事は本物にそれだけの価値があると言う証左でもあり、これからも無くならないのだろうが、それはやはり「裏社会」の世界の話であって、正規の大学で白昼堂々ニセ学位が闊歩するというのでは、日本の高等教育・最高学府・教授という日本の教職の最高位の名が廃るというものであろう。

イオンドと言うのはなかなかに攻撃的であった。

対抗する者へは謂われの無い人格攻撃をはじめ、訴訟の脅しや、勤務先、関係先を巻き込んでの恫喝を執拗に繰り返す危険な手合いであるが、静岡県立大学の小島茂教授のような、自らの身命を賭して学位商法浸透の危険性の警鐘を鳴らし続け、糾弾を続けた勇気と、イオンドというものの実体を早くから見抜き、毅然として対応した大学関係者はじめ多くの方々の有形無形の良識の声が、遂にはイオンドを屈服せしめたということなのだろう。

イオンドはまだ無くなったわけではない。

イオンドによればハワイ校も単に”休校中”とのことである。イオンドの創設者でありオーナーである、ニセ学位&称号の販売ストラクチャーの”設計”に深く関わっていたであろう黒須英治(ペンネーム中杉弘)も反省の色も無い。

ハワイ州当局からは、このイオンドという「Made in Japan」のトラブル者については日本側に報告がされているようである。

州当局のウェブ・サイトでも、イオンドの件に関してはわざわざ日本語訳を併記し、日本へのアピールとしている。

http://hawaii.gov/dcca/areas/ocp/udgi/lawsuits/ionduniversity/

学位商法は高等教育の学位等に関する問題であり、やはり文部科学省が関係してくることと思われるが、米国の教育省(ED:Department of Education)は、そのウェブ・サイトで「Diploma Mills and Accreditation」に一章を設けて多くの資料リンク先とともに解り易く解説をし、一般国民(学生)が被害を受けぬようこの問題への警鐘を鳴らしている

http://www.ed.gov/students/prep/college/diplomamills/index.html

日米の制度の違いということはあるだろうが、日本の文科省もこの問題についてやるべき事、やれる事は多いように思う。

官民、人其々の立場で今年もやるべき事は多い。