1999年4月12日にハワイ州に登記された「IOND University」という会社の定款(Articles of Incorporation)が公開されている。

http://www.geocities.com/tillamook21/IONDDocument.htm

この会社定款はホノルルのDonald Hidani弁護士によって準備されたもので、Hidani弁護士は同社の創立当初のDirector(取締役)としても短期間名を連ねているが、Hidani弁護士は日本のイオンドとの関係は無く、日本のイオンドによるニセ学位等の発行行為にも何ら関知していない旨、2008年10月17日のハワイ州裁判の略式口頭判決に述べられている。

http://hawaii.gov/dcca/areas/ocp/udgi/lawsuits/ionduniversity/transcriptdecision

定款上の会社設立の目的を見ると、「催眠術(?!)はじめその他の教育・訓練」とあり、「世界人類の為に」などと言う大仰な言葉も入っているのが興味深い。

(To provide and conduct education and training in the arts and science of hypnotism as well as other arts and science in pursuit of mutual understanding, friendship, goodwill and progress for and all mankind and persons of the International community;)

イオンドの設立者であるという黒須英治(中杉弘)の思考が色濃いところであり、黒須英治の意向によりHidani弁護士が定款文書化したというところだろうか。

会社のDirectorについては、「3人以上で内1人はハワイ州在住の者」とされている。

ハワイ現地での雇用人で、中野幾雄が見つけて来たと言う元バーテンダーのClaudette Kanaeのボーイ・フレンドである、Arnold Garciaが、”イオンド大学ハワイ校”の「Director(取締役)」として名を連ねている所以であろう。

ちなみに、裁判でも問題とされたハワイ州在住が要件とされる「Agent」だが、何も中野幾雄が誤魔化してAgentにならずとも、このArnold GarciaをAgentとして立てれば良いようなものだが、Agentは法人を代表して州との折衝に当たれる事との要件があり、Arnold Garciaというのはとてもそうゆう事を任せられるような人物ではなかったと言うことであろう。

http://www.capitol.hawaii.gov/hrs1999/Vol10/hrs446e/HRS_446E-4.htm

イオンドはハワイには何のコネクションも無く、人材確保に苦労していた様子が窺い知れる。

定款の後半が会社役員の免責(Indemnification)について割かれているのも興味深い。

「訴訟」を言論封じの威嚇の道具として多用して来たイオンドだが、イオンド自身が訴訟されることを実は最も怖れていたという所だろうか。(そして、現実にその通りになったわけだが)

イオンドは、ハワイでの法人登録直後に州法(HRS446eーイオンド言うところの悪法)が強化されたので、ハワイでの教育事業展開は困難になり、「ハワイは動かさない(登記だけ)ことに決めた」との説明だが。

http://www.iond-univ.org/kougi-asahi.html(下部の「取材時の録音テープ」での黒須英治と思われる人物による説明)

州法446eは、イオンドの説明のような”非認定校は一切学費を取ってはいけない”とは言っておらず、学科コースで25人以上の学生がハワイにいない場合は学位を発行したり学費を徴収してはならないという規定である。

http://www.capitol.hawaii.gov/hrs1999/Vol10/hrs446e/HRS_446E-5.htm

学校である以上その運営資金は徴収される学費によるところが大きいのだろうし、25人も学生がいないようでは学校としての最低限の運営も困難であろう。

州法446eというのは、ハワイに登記だけして他所でニセ学位を販売する、ディプロマ・ミルへの対策強化として制定されたものであり、この程度の規制は極めて妥当なところで、新しい(真面目な)教育機関ベンチャーの妨げになるとは思えない。

ハワイ州議会もそうゆうところは十分吟味した上で法制定しているところであろう。

だいたい、「25人」と言うのは、日本でもそこら辺の小学生相手の「英語塾」や「趣味の習い事教室」でも其れ位の人数は集めてやっているだろう。

「イオンド大学ハワイ校事務所」には、”大学事務職員”としてClaudette Kanaeと彼女のボーイ・フレンドArnold Garciaがいたわけだが、両人の召喚宣誓証言では、仕事は何も無く、郵便物等を日本のイオンドに転送するだけだったと言い、両人とも学校事務職の経験は皆無であった。

Kanaeはバーテンダーだそうだが、バーテンダーと言うのも酔客の相手をしたりそれなりに難しいところはある仕事なのだろうし、未経験者を”大学事務職員”として雇って悪いと言う法は無いのだが、未経験者であれば実務経験のある者が傍でスーパーバイズしてやって初めて学校事務としての仕事になるだろう。

”イオンド大学ハワイ校”は、定款にも教育目的で設立としてあり、表向きには「設立後に状況が変わったので、ハワイでの教育活動は取り止めた」と言うことになるが、教育活動実施への実際の行動が何も無かったところを見ると、設立当初よりハワイに於いて州法を遵守した教育活動を行なう意思など全く無かった可能性が高いということになる。

「”ハワイ州にあるアメリカの大学”が社会でそれなりに成功を収めた老人を”評価し顕彰”する為、”IOND University名誉博士号”を出している」

などトンデモな話で、寄附を取られた挙句、気が付けば有りもしないニセモノ大学名誉博士を世間に曝して笑われ、人生の晩節を汚されて終る。 これほど人生の先輩である老人を愚弄した話はないであろう。