ハワイ州のイオンド裁判の判決が公示される前に、イオンドは何が問題とされているのか?、今一度原点に立ち帰って見ておきたい。

日本で学士、修士、博士などの学位や、大学教授、名誉博士などといった称号を発行しているという、杉並区高円寺の花月ビル4階にある、IOND UNIVERSITYー”イオンド大学”は、文科省認可の日本の大学ではない。

米国ハワイ州ホノルルにあると称する、米国の大学「IOND University」と提携の日本校なのだという。(http://www.iond-univ.org/rinen.html

日本では大学と認可されていないものが学士、博士号といった学位を発行することは出来ないので、イオンドの学位発行の根拠は、米国ハワイ州の「IOND University」という図式になる。

大学教授や名誉博士といった称号も、名を冠する大学自体が無ければ発行の意味は無いだろうから、これら称号などの発行の根拠も辿っていけば米国ハワイ州にあると称する、「IOND University」ということになる。

IOND University? 米国ハワイ州にそんな大学があるのか?(http://www.iond-univ.org/hawaii/index.html) と言う事になるわけだが。

米国教育省(DOE)に認められた認定団体により認定を受けた大学等の高等教育機関は容易に確認することが出来る。

http://ope.ed.gov/accreditation/Search.aspx

「IOND University」というのは該当が無いので、認定されたものではないことがわかる。

非認定校(Unaccredited institution)であっても、ハワイ州では州法(HRS.446E)に定められた一定の要件を満たしていれば、限定された種類の学位を発行することが出来るとなっている (非認定の学位発行機関)。

http://www.capitol.hawaii.gov/hrscurrent/vol10_ch0436-0474/hrs0446e/hrs_0446e-.htm

「IOND University」は、州法に定められた学位発行の要件を満たしていないとして、州法違反事項を指摘され、ハワイ州当局(OCP)により今回訴訟されている。

http://hawaii.gov/dcca/areas/ocp/udgi/lawsuits/ionduniversity/

イオンドは「イオンド大学には、何一つ違法性はありません」(学歴論争掲示板No:158他)と言うのだが、「2007年1月から、職員のリストラを実施したため、学位発行条件を満たさなくなりました」(同掲示板No:158)と自ら、学位発行の州法上の要件に欠けることを認めている。 (http://www.iond-univ.org/bbs/bbs.cgi#anchor1)

これは州当局の訴状にある、「IOND University」の唯一の”施設”であるホノルルのレンタル・オフィースは2006年11月から閉鎖されていること、2006年11月以降従業員を擁していないこと、の指摘と略一致する。 訴状にある事項は、州当局が直接調査したことであり、その信憑性は高い。 結局イオンドも事実を認めざるを得なくなったものだろう。

州当局の訴状にあるように、元々が名ばかりのものであり、ハワイ州ホノルルの、「IOND University」などというものは、この世に存在していない大学であることが判る。

日本において、架空の”米国の大学”との提携を騙り、無価値な学位や称号を発行し、財貨を得ている行為は詐欺的であり、その学位や称号を利用して不法の利益を得ようとする者への行為は詐欺幇助であり、反社会的行為なのである。