新聞報道の後追いになるが、大学での”偽学位”使用の実態調査の結果が発表になった。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071227/crm0712272346045-n1.htm

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071227it14.htm

http://www.asahi.com/national/update/1227/TKY200712270400.html

http://mainichi.jp/life/edu/news/20071228ddm012040126000c.html

http://ikedaa.iza.ne.jp/blog/entry/434282/

この実態調査の正式名称というのは、

「真正な学位と紛らわしい呼称等についての大学における状況に係る実態調査について」

という長いものらしい。

真正な学位と紛らわしい呼称等についての大学における状況に係る実態調査について(高等教育企画課国際企画室)


と、言う事で、

調査の対象期間は、平成16年度から平成18年度までの直近3年間。

調査の対象は、全国の大学、短大1195校。 教授を含む教員、副学長、学長が対象で、研究所やセンター、図書館などは含んでいないようである。

”偽学位”を記載した出版物も大学内刊行のものが対象で、学外での著書等での使用は問われていないようだ。

その結果だが、

1. 採用・昇進にあたっての審査書類に記載された事例は、

国立大7校(8名)、公立大3校(4名)、私立大26校(28名)の、大学計36校40名。 短大は私立短大7校8名。で全合計43校48名。

2. 採用・昇進の審査開始条件となった事例は、

国立大1校(1名)、私立大3校(3名)の、大学4校4名。 短大は該当なし。

3. 採用・昇進にあたって、重要な判断要素となった事例は、

国立大1校(1名)、私立大3校(3名)で、大学4校4名。 短大は該当なし。

4. 大学が発行した冊子やホームページに表示されていた事例は、

国立大10校(10名)、公立大4校(4名)、私立大28校(29名)で、大学42校43名。 短大は、私立短大4校5名。

2007年3月末日時点で、”偽学位”を大学・短大の出版物に表示していたのは、46校48名だったということになる。

期間・対象を限った今回の調査でも相当な数であり、上手く”漏れた”者もいる事を考えると、日本の高等教育機関での学位の汚染具合はかなりなものである。

今回実態調査が行なわれ、公表までに至った意義は大変大きいと思われる。

いま迄は放任状態であったことを思えば、文科省は今回よくやってくれたと思う。

日本の学位の質が問われているのだから、今後の文科省の毅然とした高等教育行政のリーダーシップに期待したいところ。

文科省は、「非公開の前提で調べた」として、大学名や教授名、使用されたDM名などを公表していないそうで、いまひとつ具体性に欠け、詳細が解らない。

今回が初めての調査だそうだから、個人役職名までは兎も角として、大学・学部名や使用されたDM名などの情報は、文科省のホームページなりで公開すべき事ではなかろうか?

近年、正規の大学等として認められていないにも関わらず、学位授与を標榜し、真正な学位と紛らわしい呼称(真正な学位そのものではないため、呼称と表現しています)を供与する者(いわゆる「ディグリー・ミル(ディプロマ・ミル)」)の存在についての指摘がなされているようになっています。

このような呼称を取得した者が、その呼称を有していることを以って我が国の大学において採用されること及び昇進すること、あるいはその呼称の所持が大学における広報媒体において表示されること等があれば、学習者の誤認や我が国の高等教育に対する信頼低下等につながりかねません。

このため、文部科学省においては、このような真正な学位と紛らわしい呼称等についての、我が国の大学における状況に係る実態調査を本年7月17日から開始しました(調査の〆切は9月18日)。

本調査においては、米国、中国、英国、オーストラリアのいずれかに所在地を設定しているが、これら4カ国の認定リストにない機関が供与した呼称が、

 1. 採用・昇進にあたっての審査書類に記載された事例、

 2. 採用・昇進の審査開始条件となった事例、

 3. 採用・昇進にあたって、重要な判断要素となった事例、

 4. 大学が発行した冊子やホームページに表示されていた事例

について、調べることとしています。