「オンライン学位取得代行センター」というのが大阪にあるそうだ。
http://www.online-degree-japan.com/index.htm
「当センターがあなたに代わって学位取得の手続きを全て行います。安全・確実に学位があなたの物になります!!」
そうだが、
扱っているのは「アメリカのWalden UniversityとBelford Universityの学位を中心に手続き代行をしております。」とある。
連邦教育省(Department of Education)の認定校検索でチェックして見ると
http://ope.ed.gov/accreditation/Search.asp
「Walden University」というのはミネソタを本拠とする認定校であり、Wikipediaなどを見ると主に社会人を対象として通信教育を行なっている大学である。
http://en.wikipedia.org/wiki/Walden_University
ネット上でもWalden Uのサイトとの矛盾は見当たらない。これであれば普通のアメリカの大学だろう。
さて、「学位取得の代行」とは何なのか?だが、
「社会人の方が学位を取るのは大変です。毎週1~2回ご自分の仕事の時間を潰して数年間通いやっと取れるものです。
そんな忙しい方や、学位は持ってないがそれに近い知識・技量のある方のために、当センターではアメリカの大学の学位を取得するお手伝いをしております。
アメリカの大学は日本と違い学位は取得しやすく、殆どの場合学位を手にすることが出来ます。
その手続きは、ご自分でするのはかなり困難ですので、その代行を当センターは行っております」
字の如く代行取得してくれるのであれば、本人は寝て待てばよいのだろうか?
取得学位・費用を見ると医学博士以外であれば525,000円、「その他の費用は一切かかりません」とある。
http://www.online-degree-japan.com/degree.htm
Walden Uの学費を見るとMBAでも$25,000ほどはかかるようであり、これは普通な学費のところだろうから、日本円525,000は破格の特価である。
http://www.waldenu.edu/c/Schools/Schools_8459.htm
この「学位取得代行センター」がWalden Uの学位についても表記通りの費用で扱っているとすれば、「持ち出し」で事業を行なっていることになるのだが?
さて、
もうひとつの「Belford University」であるが、
連邦教育省の認定校検索でチェックして見ても該当が無い。
Belford Uが認定を得ていると言う、「2つの有名なオンライン教育認定機構」だと称する、International Accreditation Agency for Online Universities (IAAOU) およびUniversal Council for Online Education Accreditation (UCOEA)というのも見当たらない。
どうなっちゃてんのかな?だが
Wikipediaで見ると、「人生経験などを単位認定し学位発行するオンライン大学、テキサスに私書箱があって・・・、ただし学位記はUnited Arab Emiratesより郵送されてくる。認定している認定団体が教育省に認定されていない云々」というシロモノ。
http://en.wikipedia.org/wiki/Belford_University
テキサスの”本拠”のほうも今は閉鎖されたようである。
http://www.houstonpress.com/2006-07-20/news/first-degree-fraud/
以前はネバダとかアリゾナにあったとも言うが、現在”本部”は米国以外に所在する”アメリカの大学”である。
ネット上の噂では運営しているグループというのはカラチ?辺りを根城として学位や証書、契約書などの偽造書類を専門に手掛ける連中なのだとの話がある。
Belford Universityの他にも、Rochville Universityや、Ashwood Universityと言う大学も運営しているのだと言う。
博士号でUS$549、修士と博士の抱き合わせ価格でUS$771か。1週間程度で入手というのは話が早い。
http://www.belforduniversity.org/bu/online_registration.aspx
Rochville Universityだと博士号で$599、修士号と博士号の抱き合わせ特価で$769か。
http://www.instant-degrees.net/ID/online_registration.aspx
Belford Uとの価格の差は紙の質だろうか?
しかし、これだけ吹っ切れていればむしろ爽快、と言っては不謹慎か。
「学位取得代行センター」の扱う学位も取得費用等を考えれば、Belford Uのほうが本命になるだろうか
御用とお急ぎである方は、Belford大学がお薦めでっせ、となるわけか。
それにしても、バレた場合の損害を補償するわけでもないようだから、クレジット・カードさえあればネットでUS$600ほどで購入出来るものが50万円以上とはまた随分とぼったくるものである。
学位商法は複雑怪奇!