日本の「イオンド大学」とか学歴汚染一般の件、こちらにノート纏めておこう。


<4月28日記

「イオンド大学」というのがあるそうだが

日本のこの手の”大学”では大手なのだろうか?

「イオンド大学ハワイ校」といふのがあるそうだが

http://www.iond-univ.org/hawaii/index.html

ホノルルのビルの107号室、貸し事務所である。

同事務所の”名義貸し”や”宿泊利用”までも提供しているようだが、ビルのオフィースに泊まらせるというのだから、涙ぐましい経営努力の”大学”といえるか。

それにしても、リース契約事務所は普通「又貸し」や宿泊施設などの「目的外使用」は契約上禁止されてることが多いと思うが?、他人事ながら気になる。

http://www.iond-univ.org/news/hawaiioffice/office.html

ハワイ校サイトに

「州規定により25人以上生徒がいないと、学位の発行が許されないので、学位の発行は保障は出来ません」

と情けないことが書かれてある。

ハワイ在住者には”奨学金”の制度適用が謳われているが、金を払っても25人の生徒がなかなか集まらないというところか。

州への登録を見ると1999年に登録されているようだが、DIAMOND HEAD UNIVERSITYやHAWAII IOND UNIVERSITYという名前も以前は使っていたことが判る。

http://hbe.ehawaii.gov/cogs/details.html?t=MSTR&fn=115146+D2

日本校で発行する、Ph.D、MBA、B.S.などの学位はハワイ校あってのものなのだろうから、実質学費収入がゼロでもハワイ校は存在自体に意味があるという事か。

この大学の”学位”は当然ながらアメリカ社会一般で普通言われるPh.DやB.S.などとは違う非認定のものである。

IOND UniversityのB.S.を持って普通のアメリカの大学の大学院へ入りたいと言っても一笑に付されるだけであろう。

どころか、

Bogus学位であるから、下手に利用すれば法的なリスクがある。

日本校サイトには、

”世界の平和と繁栄を求めて「日米同盟」を強固にするThink Tank University”

などと、わけの解らぬ事が書いてあるのだが、和製Bogus大学の存在は信頼関係を損なうだけであろう。

http://www.iond-univ.org/index2.html

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<4月29日記

人生経験などを”単位”として認め、”学位”を発行してくれる

所謂Degree Mill/Diploma Millの類だが、

Bachelor $449

Master $479

Doctorate $549

送料無料で7日から10日でお手許へ。

専攻につてはお好きなものを指定ください。

証書はコピー防止機能付きのほんもの紙使用。

照会対応の電話サービス有り。

価格に幅はあるようだが、購入側もリスクがあるのだろうし

こんなところだろうか。

日本の場合は数百万円?とか聞くが、随分高いようである。

甘味のある商売ということか。

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<5月8日記

「イオンド大学」というサイトを見てるのだが

http://www.iond-univ.org/about/message.html

「暗記能力を重視した画一的教育であり、大きな教室に多人数の学生を詰め込み、教授からの一方的な講義により学生の創造的な学習意欲を失わせている面があります」

という

「現在、行われている伝統的な大学教育を打ち破るべく、

全く新しい方法によって学生の教育を行おうとしている大学です」

実に立派なことが書いてある。

「伝統的な大学教育を打ち破る」のであるから敢えて文部科学省の認可は受けない所謂”私塾”の形なのか?と思いきや、

Ph.D, MBA, BSなどとゆう”伝統的な学位”を発行するところがキモのようである。

「博士」や「学士」号では発行する資格に欠き法に触れるだろうから、英語ならば、

よいのだろうか?

「国際間の業務提携契約を締結している」

のだと言うハワイの「IOND University」というのも同一組織のものである。

ある意味、”伝統的な大学教育を打ち破っ”てはいるのだが。

素質不良な怪しげな”博士”を称する輩が世を跋扈するようでは規制が必要になってくる。

自分達がいちばん忌避している政府規制を、結局は呼び込む行為を「イオンド大学」自身がしているということか。

現役の大学教授のなかにも「Ph.D イオンド大学」とか称しているのがいるそうだが、それにしても、

宝石店にいる者が偽ダイヤの指輪を嵌めて喜ぶような真似をしてどうするのか?だが。

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<5月9日記

ワシントン州のサイトから

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Diploma Mills

Diplomas mills have been around for decades. But the growing demand for college degrees and the increasing popularity of distance learning have helped diploma mills thrive over the past few years.

Diploma mills harm all of us: individuals who lose out on jobs or promotions because of those with false credentials, the businesses that hire or promote employees with false credentials, and legitimate colleges and universities that have their reputations tarnished by diploma mills with similar names.

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と言うことで、ネットの普及などによりここ数年ディプロマ・ミル被害が増えてきており、消費者保護の観点から昨年法改正もされて取り締まりは厳しくなってきている。

州内で活動する大学などの学位発行機関は当局(Washington Higher Education Coordinating Board)による認定が必要で、偽学位の発行など違法行為には懲役および罰金刑が課される(Class C Felony)という。

学位商法というのはりっぱな犯罪なのである。

相手がディプロマ・ミルかどうかを見分ける指針として当局は、「以下の10項目の兆候のうち、2項目以上が該当するようだとその恐れがある、金払う前によく調べるなり当局にコンタクトするなりせよ」と言う。

1.You can earn degrees in significantly less time than at a traditional college or university.

2.The college places a heavy emphasis on offering college credits for life experience.

3.The college sends you a diploma if you pay a fee.

4.The college lets you “buy” a grade point average and academic honors.

5.The college charges tuition by the degree, or offers discounts if you enroll in multiple degree programs. (Traditional colleges generally charge by the credit hour, course, or semester, although some vocational schools charge tuition per program.)

6.The college’s address is a post office box or suite number.

7.The college’s Web site does not include information that a traditional college Web site might include, such as a mission statement, course requirements for specific programs, library resources, and faculty information.

8.The college provides only vague information about its faculty or has no faculty, only “evaluators,” “mentors” or “counselors.”

9.The college claims to be accredited by an association that either does not exist or is not recognized by the U.S. Department of Education.

10.The name of a college is similar to a well-known and well-respected college.

http://www.hecb.wa.gov/autheval/daa/diplomamillsFAQ.asp

高等教育というのは学問の世界なのであろうから、本来は州政府などが規制介入する必要など無いのだろうが、ディプロマ・ミルの学位商法が放置しておけない状況にあったということか。

そう言えば州知事も教育行政に熱心な人である。

http://www.leg.wa.gov/pub/billinfo/2005-06/Pdf/Bills/Session%20Law%202006/2507-S.SL.pdf

http://apps.leg.wa.gov/rcw/

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<5月11日記

日本で受講出来る米国はじめ海外の大学というのは、クレイトンやイオンドのようなイイカゲンなものばかりかと不快に思っていたのだが

テンプル大学(Temple U)の日本校というのもあるのだ。

http://www.tuj.ac.jp/newsite/main/indexj.html

講義は英語だそうでそれなりの水準が要求されようが、これなら日本に居ながらにして”米留”、そして名声ある米国大学の学位が取得出来る。

真面目に勉学を志す人はイイカゲンなDM業者に惑わされず、こうゆう選択をすべきだろう。

学位取得までには相当な努力が要求されようが、Statusとは本来そうしたものだろうし。

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<5月15日記

13日付けの日経の記事だが、

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海外の博士号売る「学位商法」、文科省が実態調査へ

教育活動の実態がほとんどない海外の大学から、お金と引き換えに博士号などを受ける「学位商法」について、文部科学省は初めての実態調査に近く乗り出す。国内の国公私立大・短大約1200校が対象で、講義をほとんど受けることなく授与された学位に基づき採用された教員がいないかどうかなどを調べる。大学教育への信頼低下を防ぐのが狙いだ。

外国の大学を舞台に行われている学位商法は「大学にお金を払い、履歴書を送るだけで学位証明を入手できる」「わずかの授業に出席するだけで卒業資格が得られる」などの方法で知られる。 (07:00)

http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT1G0802A%2012052007&g=K1&d=20070513

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「ドキッ」としてる教授もいるのだろうか?

「すっかりホンモノとばかり・・・騙されました。私も被害者です」

とは言えぬ職業であろうし。

提出した履歴書は回収出来ぬだろうし、いままでReadや色々な場所で「米国ボーガス大学烏鼠博士」と宣伝していたのだろうし、夫々に理由はあるとしても生活苦からついついという社会的地位でもなかろうから、情けない事とは思っても同情の余地はないようだ。

それにしても、どれくらい居るのだろうか?

山と出てきて、

「赤信号、みんなで渡れば恐くない」状態になったりしたら、どうするのか?だがw

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