「悪質な誹謗中傷により、名誉や信用が毀損され、業務に支障をきたしている」との苦情が、志賀町長小泉勝氏の代理人である弁護士國田武ニ郎氏より、「はてな」に出されているとの由。
私がブログで記述していることがその発端になっているのだろうから、気の毒にも思うが、考えてみると、
「学校がないので調べようがない」、「間違いなく卒業している」とだけしか言わない、何所から入手したのか不明な”応用美術短期大学士(Associate of Applied Arts)”なる学位記(卒業証書)を真正なものと強弁して一切説明はしない町長。
「卒業するためには、合計64セメスター単位を終了し、成績評価点の累加平均2.00(C)を取らなければならないが」と、出典・根拠が不明な、必修科目の履修取得要件すら無いという、在り得ない学位取得要件を明記して、「以上から、小泉氏は「ウッド・ジュニア・カレッジを卒業したことは事実であり、経歴に何らの詐称もないことが判明した。」、「したがって、流言飛語に惑わされることなく、本件の問題をこれで終結させることを強く要望する。」との、報告書なるものを提示して、疑問点への回答や説明は一切しない代理人弁護士。
これは、”黙って俺の言うことを信じろ”という姿勢であり、「侮辱」ということでは、公選された町長として、これほど主権者である町民を侮辱している話は他にないであろう。
日々地道に暮らす普通の町民や、私のようなその他大勢の人間というのは、頭はあまり利巧ではないので、司法試験に受かったりすることは無いわけだが、完全に「パア~」ではないので、その人の言うことと行動を見ていると、怪しいことには何となく気が付くものである。
志賀町長小泉勝氏やその代理人という弁護士國田武二郎氏の主張することには大変疑問点が大きく、真実は下記の通りであり、
「町長小泉勝氏の学歴詐称の疑いは極めて強い」
と言わざるを得ない。
§
基本的な事項。
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町長小泉勝氏が卒業したとする、Wood Jr. College(ウッド・ジュニア・カレッジ)が存在したミシシッピイ州では、州内の短大・大学での履修科目には、各々1000番台、2000番台、3000番台、4000番台の共通の科目コードを使用している。(例:HISTORY HIS 1113、2213、3130、4750等)
Associate学位(短期大学士)を発行する短大では、1000番台と2000番台のコードの履修科目が提供されている。(例:MUSIC MUS 1113、2214等)
(注):A UNIFORM COURSE NUMBERING SYSTEM IN MISSISSIPPI PUBLIC COMMUNITY & JUNIOR COLLEGES
そのほかに、0XXX番号の科目というのがあるのだが(例:ENGLISH ENG 0123等)、これは主に基礎英語等で、英語を母国語としない留学生等が短大・大学の課程コース履修前に講義履修・理解に必要な一定レベルの英語力を得るためのものであり、留学生の誘致に熱心な短大・大学等で設けられている。(Remedial Course - Institutional Credit)
Wood Jr. Collegeでもこの基礎英語等のコースが設けられていた。
このコースの単位(Remedial Courseでの、Institutional Credit)というのは、短大・大学の課程以前のものであり、学位取得・卒業の必要要件単位としては認められないものである。(この件SACSCOCに確認済)
「Credit courses for degree must be at the collegiate level. Remedial courses are sometimes listed as institutional credit but are not at collegiate level and don't count toward graduation.」- Benberg博士 (Senior V.P./Chief of Staff SACSCOC)
質問e-mailはこれ。
「Dear Dr. Tom Benberg,
I have a question.
The courses of "ENG 0113" and "ENG 0123" ( basic English, Non-transferrable credit, Institutional credit) at the associate degree granting Colleges in Mississippi, Does credit not satisfy degree requirements for graduation at all Colleges or some cases credit satisfy degree requirements?
SACSCOC has a policy for this?
Appreciate your help.
Sincerely,
Toshi Hino
Bandoalpha@msn.com」
参考:ミシシッピイ州SACSCOC認定短大15校(Community College)の再履修科目と基礎英語科目の取り扱いー短大要覧抜粋(英語)
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ミシシッピイ州の短大・大学の認定(Accreditation)は、連邦教育省の認定を受けた大学認定団体であるSACSCOC(The Southern Association of Colleges and Schools Commission on Colleges )が行っている。
Wood Jr. Collegeも2002年に認定を失うまで、SACSCOCにより認定されていた。
SACSCOCの規定では、Associate(短期大学士)学位の単位数については60セメスター単位以上とされている。(Policy 2.7.1)
同州内のSACSCOCの認定を受けている、Associate学位(短期大学士)を発行する短大(Level 1)15校(注)を眺めてみると、最低は62単位である。ちなみに必修科目の無い学位要件というのは無い。
Wood Jr. Collegeでは64単位以上としていたことが短大要覧から解る。
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小泉勝氏の成績証明書を見る。
以上からAssociate学位(短期大学士)の対象となり得る履修科目(コード1000番台及び2000番台科目で、成績評価点-Quality Pints-の付いているもの)の取得単位を集計すると、56単位であり、Associate学位取得・卒業の要件は満たしていなかったことが明らかとなる。
Wood Jr. Collegeに存在した学位であるAssociate of Arts及びAssociate of Applied Scienceの必修科目要件も満たしてはいないし、”Associate of Applied Arts”なる学位は同校に存在したとする痕跡すら無い。
ちなみに、同一科目の再履修については認めているところが普通だが、その取得単位というのは、講義内容が毎回変るような特別な講義を除き、何回再履修しても認められるのは1回分単位だけである。(注)
ちなみに、「Associate of Applied Arts(応用美術短期大学士)」という学位コースは、現在ミシシッピイ州でSACSCOCの認定を受けている短大(Community College)15校には見当たらない。
以上よりして、志賀町長小泉勝氏が所持する学位記が真正なものである可能性は、極めて低いものと言わざるを得ない。
それにしても、根拠不明な、信じ難い学位取得・卒業要件を記述して、「卒業したことは事実」と強弁する、司法行為を妨げるような行為をする代理人弁護士の倫理観というのは、一体どのように理解すればよいものだろうか。