Bandoalphaのざっ記ー学位商法問題

主として米国発の真正でない学位や大学などの、所謂「ディプロマ・ミル」、「ディグリー・ミル」の問題を取り上げています。 当ブログ記載事項の著作権は著作者に帰属します。無断での引用は、法の定めるところに則り、各人の責任において御自由にされて下さい。 御意見などございましたらこちらへ。 Bandoalpha@msn.com  Toshi Hino/檜野俊弘

2011年03月

おかしな報告書ー小泉町長学歴詐称疑惑

去る2月21日の議会全員協議会で、小泉町長が雇った弁護士らは「報告書」と称するものを提出し、成績証明書等も併せ提示して、「以上から、小泉町長は、「ウッド・ジュニア・カレッジを卒業したことは事実であり、経歴に何らの詐称もないことが判明した。」「本調査結果によって、小泉氏が学歴を詐称した事実がないことが明らかになった。」と主張し、「したがって、流言飛語に惑わされることなく、本件の問題をこれで終結させることを強く要望する。」「追って、金沢地方検察庁にも同様の文書を送付し、早期に不起訴処分をすることを上申した。」と、該報告書は結んでいる。

ウッド・ジュニア・カレッジでの准学士取得・卒業の要件として該報告書は、「卒業するためには、合計64セメスター単位を終了し、成績評価点の累計平均2.00(C)を取らなければならない」としている。

他の米国短大同様ウッド・ジュニア・カレッジでも、其々の准学士の専攻コースに応じて履修が必須とされる必修科目や、選択科目があり、合計必要単位数や最低成績が決められていた。

小泉町長が在学した当時のウッド・ジュニア・カレッジには、准学士コースとして、「Associate of Arts(人文科学准学士)」と「Associate of Applied Science(応用科学准学士)」の2つが確認出来るのだが、小泉町長が取得したとする「Associate of Applied Arts(応用美術准学士)」と称する准学士コースは、その存在が確認出来ないものである。

小泉町長自身も「学校がないので調べようがない」(北國新聞)と言い、國田と言う町長の弁護士も、「正直わからない」(北國新聞)、「(学科が)当時あったかもしれないし、なかったかもしれない」(毎日新聞)、「わからない」(朝日新聞)としている。

該報告書は、「本調査は、アメリカの大手法律事務所であるHughes・Hubbard&ReedLLP所属の弁護士らが調査したものでありその信用性は極めて高い。」としている。

信用性が極めて高いと評価している、アメリカの大手法律事務所に調査委託しても、”Associate of Applied Arts(応用美術准学士)”なる小泉町長の准学士は、ウッド・ジュニア・カレッジにその存在が確認出来なかったということになる。

該報告書では准学士コースの詳細については、一切触れられていない。 依頼主の不利となることには触れないのはよいとはしても、小泉町長の応用美術准学士コース卒業の要件を「合計64セメスター単位を終了し、成績評価点の累計平均2.00(C)を取らなければならない」と、明記しているその根拠は無いということになる。

小泉町長が取得したとする応用美術准学士コースなるものの存在自体が不明なのであるから、その学位取得・卒業の要件がわかろう筈も無い。

<当時ウッド・ジュニア・カレッジに存在した他の准学士コースから推定して、小泉氏の応用美術准学士の卒業要件もこれこれだったと思われる>とでも書けばよいのだろうが、該報告書の記載は事実無根であり、これでは虚偽ということになろう。

提示された小泉町長のウッド・ジュニア・カレッジ成績証明書では、「Associate of Applied Arts(応用美術准学士)」と言う准学士コースに見合う美術系履修学科は、「Art Appreciatin」ひとつのみである。

この「Art Appreciation」と言うのは、これは「美術理解の基礎」、「美術基礎その1」といったものであり、応用美術の専攻学科というよりは一般教養としての美術の学科であろう。

提示された小泉町長の成績証明書の履修学科からは、取得したとする、「Associate of Applied Arts(応用美術准学士)」に関連する学科はなにも見当たらないという、不思議な話になる。

小泉町長の弁護士の報告書からは、小泉町長が取得したとする准学士が真正なものであり、間違いなく米国短大を卒業したことを証明するどころか、学歴詐称の疑惑がむしろ増幅されるものとなっている。

説明しない町長ー小泉町長学歴詐称疑惑

去る2月21日の「町議会全員協議会」の議事録といったものは、公開はされないようであり、同協議会でのやりとりについては新聞報道などより知る以外ないが、田中議長宛に提出された小泉町長の米短大成績証明書は、「英語の原文を和訳するために小泉町長の弁護士が開封しており」(読売新聞2・22)とあるので、成績証明書は開封されて提出されたようである。

成績証明書(Transcript)は、本人であれば何時でも何通でも取得出来るものであり、小泉町長らは自分達用も普通なら手配するだろうし、いろいろ対策を検討する必要があったことを考えれば、かなり以前に小泉町長は成績証明書を入手していた事も考えられようか。

町議会提出用の成績証明書をわざわざ開封する必要があるとは思えないし、成績証明書は、「開封無効」のシールが貼られた所謂「親展」の証明書類であり、「開封無効」の注意書き(It is certified as OFFICIAL only if it is received unopened by the official who is to make use of it.)に弁護士が気付かない筈もないだろうから、これは敢えて開封して提出したというところだろうか。

十分な時間はあったのであるから、本来なら公明正大に成績証明書の請求がされて、議長宛直接届けられるべきところだろうし、「親展」の証明書類を”開封して渡す”というのは論外な行為だろう。

町議会議長という公の立場で、成績証明書を発行元大学に確認することは出来るにしても、それは本来の議長としての職務ではないだろうし、町民を代表する町議会の議長という相手の立場への尊重を欠いた、お互いの信頼関係を徒に損ねるだけの行為と言わざるを得まい。

小泉町長は代理人だという弁護士(國田武二郎弁護士)を伴って協議会に出席していたようだが、本人・代理人ともに学歴の疑惑・疑問点についての明解な説明は出来ていない。

弁護士による「報告書」と称するものの中で、「小泉氏が1988年度卒業生として記載されている。」とする「1988年5月15日付けのウッド・ジュニア・カレッジの卒業式のプログラム」というのはこれだろうか。

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この卒業式の栞には「Graduate 1988」(1988年度卒業生)として、計49名の名があり、その中に「Masaru Koizumi」の名前も見える。

49名の卒業生のうち「Summer graduates」(夏期卒業生)というのが、19名入っているから、通常の5月期卒業生は30名だったということになるだろうか。

事実とすれば随分と学生数が少ないわけで、これでは教授の数のほうが学生数より多いだろうし、学校の運営としては危機的な状態だったとも言えるだろうか。

議会に提出された成績証明書は、それを管理する大学(Millsaps College)の原簿と同じもので、所謂「ホンモノ」とのことだが、不思議なことにこの成績証明書は以前より密かに流布されてもいた。

教育機関が管理する正式な教育記録である小泉氏の「成績証明書」には、卒業や学位授与についての記載は無い。

弁護士はその「報告書」に於いて、「成績証明書の中身から卒業に必要な単位が取れているかどうか検証すれば、それで卒業したことが明確になるところ」としているのだが、成績証明書の中身を検証すれば、小泉氏の取得単位は卒業に必要とされた単位数64を満たしてはいない。(http://d.hatena.ne.jp/Bandoalpha/20110219

小泉氏の卒業証書(学位記)にある取得した学位というのは、「Associate of Applied Arts」(応用美術准学士)となっている。

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この「Applied Arts」(応用美術)という学位については、ウッド・ジュニア・カレッジに存在したことが確認されないもので、小泉氏の成績証明書での履修した科目とこの学位との関連性も何ら見られないものである。

小泉町長本人は「学校がないので調べようがない」(北国新聞)と言い、代理人という國田弁護士も「(学科が)当時在ったかもしれないし、なかったかもしれない」(毎日新聞)、「わからない」(朝日新聞)、「正直わからない」(北国新聞)という始末である。

それにしても、國田武二郎弁護士は「成績証明書によると取得単位は65で、卒業に必要な64単位を満たしており、小泉氏は間違いなく卒業している」(朝日新聞)としているが、肝心な成績証明書の中身を検証することを欠いている。 もし、成績証明書を検証した上で、単位数が足りないことを知っていながら、”連中にはわかるまい”として主張したとするならば、尚更に問題であろう。

小泉氏が取得したという学位についても、その存在は「わからない」としているにも拘らず、「小泉氏は、「ウッド・ジュニア・カレッジを卒業したことは事実であり、経歴に何らの詐称もないことが判明した。」(報告書)と結論づけている。

報告書の最後は、「したがって、流言飛語に惑わされることなく、本件の問題をこれで終結させることを強く要望する。」としているが、学位取得・卒業の確たる根拠もないのにあたかも確認された真実であるかのように言いふらすことこそ、流言飛語というものではなかろうか。

元検事だそうだが(http://www.agu.ac.jp/graduate/lawschool/professor/detail14.html)、どうゆうものの考え方をする人なのか? まさか日本の検事や弁護士は、皆が皆こうでもあるまいが、些か心配になる。

小泉町長も、代理人弁護士という”用心棒”同伴でないと協議会で応答できないというのでは情けない。

若し卒業に満たない単位数でも卒業出来たとすれば、当時何があったのか? 正式な教育記録である成績証明書上では単位も足りず、卒業・学位授与の記録が無いにも拘らず、若し学位を取得出来たとすれば、それは真正な学位と呼べるものなのか? 履修した科目と何の脈絡もない応用美術という学位記がなぜ存在するのか? それは、「間違いなく卒業している」と主張できることなのか?

アルツハイマーを患うには早過ぎる若さであり、小泉氏自身が、それは一番良く知っていることであろう。

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