Bandoalphaのざっ記ー学位商法問題

主として米国発の真正でない学位や大学などの、所謂「ディプロマ・ミル」、「ディグリー・ミル」の問題を取り上げています。 当ブログ記載事項の著作権は著作者に帰属します。無断での引用は、法の定めるところに則り、各人の責任において御自由にされて下さい。 御意見などございましたらこちらへ。 Bandoalpha@msn.com  Toshi Hino/檜野俊弘

2010年12月

疑惑は深まるばかりー町長学歴詐称

読売新聞記事(下記)によれば、市民団体「オンブズマン志賀」が20日までに提出を求めていた、小泉勝町長の米国短大成績証明書は、期限までに提出されなかったという。

小泉町長本人のコメントは載っていないが、従来通り”間違いなく卒業している”との主張を変えていないものと思われるが、証明書提出は拒否しているというのはどうしたことだろうか。

今までの動きを振り返ってみると、

11月12日 市民団体「オンブズマン志賀」が、町民100名の署名を集めた、小泉町長に成績証明書の提出を促す嘆願書を町議会議長に提出。

12月3日 志賀町議会本会議で小泉町長の学歴詐称疑惑に関しての質疑および、成績証明書を町長に提出させる動議を可決。

12月8日 「オンブズマン志賀」が、町議会が3日に可決した動議に関し、「今月20日までに小泉町長が米ウッドジュニアカレッジの成績証明書を取り寄せるよう求める」という嘆願書を田中正文議長に提出。

12月9日 公職選挙法違反(虚偽事項の公表)の罪にあたるとして、稲岡保男氏が金沢地検に告発状を提出。

12月13日 田中正文町議会議長が小泉町長に対して、出来るだけ早期に成績証明書を取り寄せるよう申し入れ。

そして今回の、20日になっても成績証明書は提出されていないとのニュースとなる。

町長の小泉勝氏は、「弁護士を通して申請したい」、「弁護士を通じてしっかりと提出する」とのことだったようだが、どうも成績証明書の交付申請書も未だMillsaps College宛に郵送していないのではあるまいか?

小泉勝氏が卒業したと主張する、米国短大「Wood Jr. College」の教育記録を現在管理しているMillsaps Collegeが、「小泉氏は卒業していない」と回答したことへの反論と証明の時間をこれだけ与えられていても、何らのアクションも取らないのはどうしたことか。

小泉勝町長の、学歴詐称疑惑はますます深まる一方である。

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町長としての資質

本年(2010)5月に志賀町のオンブズマンの方が調査に渡米したというから、小泉町長の学歴に関する疑惑というのは相当以前から町民の間に沸いていたという事なのだろう。

有名な米国の4年制大学というわけでなく、ミシシッピの片田舎の殆ど無名の2年制の短大であるから、普通に真面目な学生であれば卒業がさほど難しいとも思われず、学歴疑惑の噂話が流れたとしても、卒業証書を開示すれば、普通なら噂は沈静化するものと思うが、逆に話が大きくなって行ったのは、信用できず「怪しい」と示唆する事が種々あったということだろうか。

11月中旬に町民100人の署名を集めた学歴証明の嘆願書が提出された時の町長の反応は、「相手にするつもりはない」というものであるから、それまでも町民からの学歴疑惑に対して真摯に答えることなく、町長はこれを一蹴する姿勢でしかなかったことが窺える。

小泉町長は「間違いなく卒業している」と答弁しているが、「間違いなく」との言葉の意味には確認していると言う事がそこにはあると思われるが、簡単なことであるにも拘らず、町長は学校に卒業証明の確認をした形跡は無く、間違いないと言う事の根拠を示しての説明も聞かれないようである。

これでは疑惑を持たないほうが無理といった状況を町長自らが作っていたようなものだが、「問答無用」といった姿勢からは、民主主義国家の地方自治体の長として、その資質に疑問を持たざるを得まい。

志賀町のオンブズマンの方は2度訪米調査したというが、その熱意と行動力は賞賛されるものの、勝手の違う米国の学校でそれも既に廃校になっているものであり、本人の町長が全く協力しない状況では、教育関係専門家の余程な協力でも無い限り、卒業の有無等の確認は極めて難しいことである。

ややもすれば行き過ぎた言動も出るのだろうし、町政への影響も出ることだろう、ここまで町民の間に、不要の疑惑と混乱を招いた町長の責任は大きいであろう。

直に答えは出るだろうが、学歴詐称で公職選挙法違反ということになれば、刑事罰の話であり、議論の余地はないが、仮に町長の主張のように「間違いなく卒業」していたとしても、町長としての資質が問われる話だろう。

どちらにしても良い事は無く、素質不良な町長を抱えた一番の被害者は、志賀町民ということになる。

Transcript(成績証明書)

北國新聞や北陸中日新聞など地元紙によれば、志賀町の田中正文町議会議長が13日、小泉勝町長に成績証明書を取り寄せるよう申し入れたという(下記新聞記事)。

小泉町長は、「弁護士を通して申請したい」、「弁護士を通じてしっかりと提出する」とのことのようである。

「Transcript(成績証明書)」を取り寄せるには、既述のようにMillsaps CollegeがWood短大の証明事務を扱っているので、「Wood College Transcript Request(成績証明申請用紙)」をプリント・アウト(印刷)して必要事項を記入し、手数料$10(2部まで。それ以上の枚数については1部につき$2追加)を添えて、Millsaps CollegeのOffice of Records宛に郵送し、交付を受けることとなる。

http://www.ihl.state.ms.us/oasa/mcca.html(下のほうにWood Collegeがあるので、クリックすると申請用紙が表示される)

証明書申請用紙はこのようなもので、名前と送付先、生年月日、証明書種別等、そして本人がサインするだけであるから、日本で出身大学に成績証明書や卒業証明書を申請する場合と殆ど変らない。

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弁護士に頼めば、字は綺麗かもしれないが、成績証明書申請に弁護士を雇うというのも珍しいだろう。

遺憾なことだが、米国には偽のTranscriptを出してくれる業者も多いので、小泉町長が作成した証明申請書を封筒に収めて、Millsaps College宛投函送付するまで、甲者乙者、或いは信頼できる第三者が立ち会う必要があることだろう。

ある日、議長宛米国から町長の成績証明書がヒョッコリ送付された、というのでは、出所のトレースが不可能であり、折角の証明書が証明の用を為さなくなりかねまい。

Transcript(成績証明書)のサンプルをGoogle画像検索してみると、どうもニセモノ提供業者のサンプルのほうが多いような有様だが、Transcriptのサンプルはこんなものだろうか。

これは、ブッシュ大統領(息子のほう)のYale大1968年のものだが、DegreeはB.A.、MajorはHistoryとあるから、Bachelor of Arts in Historyで、学士号で専攻は歴史となるだろうか。

プレッツェルを喉に詰まらせて、ホワイトハウスの執務室でひっくり返っていたとか、兎角あまり頭は良くないとの風評の大統領だったが、どうしてそんなことは無いようだ。

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も少し新しいもので、これはMichigan State University1988年。同じくBachelor of ArtsでMajorはAdvertisingということが解る。

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書式は各大学で違っていても、記載される内容は同じであり、学位取得すなわち卒業していれば、Degreeの項目に記載がある。

小泉勝氏の場合には、Degreeの項目に、「Associate of Applied Arts」もしくは記号で「A.A.A.」なる学位の記載が、本人の主張が正しければある筈である。

学校が回答しているように記載が無いのであれば、泣いても笑っても、卒業(学位取得)はしていなかったということになる。

見慣れぬ英語の成績証明書であり、証明書を前に、この黒いシミがオレには学位に見える!等の議論も生じる可能性があることを考えれば、本人の小泉町長はじめ議長等が直接Millsaps Collegeのレコード管理室(学生課とか学務課といったところだろうか)に出向いて、担当者から解説を聞いて納得するのが一番なのかもしれぬ。

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志賀町小泉町長告発へ

小泉勝町長の学歴詐称疑惑については、志賀町で複数の告発の動きがあったようで、9日告発状が金沢地方検察庁に提出されたという。

町長は、「間違いなく卒業している」と主張し、該短大の教育記録を管理している学校のほうでは、「小泉氏は卒業(学位取得)はしていない」と回答しているという、不思議な話なわけだが。

いやしくも自治体の首長であり、本来であれば疑惑が生じた時点で、米国の短大それも現在廃校になっているという卒業確認が難しい事情があるのであれば尚の事、自ら進んで事実を確認し、町民に説明をして、若し判断するところがあるのであれば、自ら判断をする、というのが町にとっても望ましいところなのだろうが。

先日3日の町議会での、町長に成績証明書を提出させる動議を可決後も、小泉町長は「対応を考えたい」としているだけで、成績証明書を取り寄せて卒業(学位取得)を確認する行為は拒否したままだったようであり、今回町民による告発ということも、致し方のないところだろう。

北國新聞によれば、告発を受けた町長は、「卒業はしており、逃げも隠れもしない。しっかりと証明していく」「成績証明書を取り寄せる」とのことだが、告発受理と言う事になれば、捜査当局が独自に捜査を開始することだろうから、本人が証明する段階は過ぎている気もするが。

果たして小泉町長の主張する、「間違いなく卒業している」と言うのは、間違いが無いのか否か?、町長のDiploma(卒業証書・学位記)に書かれた、「Associate of Applied Arts」と言う、大学案内に記載の無い学位の謎や、「Dean(学部長)」といった同じく大学案内に記載の見当たらない肩書きの疑問、学校の回答が事実であればそもそもこの世に存在しないことになる、小泉町長のDiploma(卒業証書)の謎も、捜査当局により明らかにされることだろう。

◇◇◇朝日新聞マイタウン石川◇◇◇

ニュース短信

2010年12月09日

 ◆学歴問題で志賀町長を告発へ 志賀町の小泉勝町長が最終学歴を詐称した疑いがあると町議会で問題になっていることに絡み、「市民団体 オンブズマン志賀」は8日会見し、小泉町長を公職選挙法違反(虚偽事項の公表)の疑いで近く金沢地検に告発すると発表した。


 同団体はまた、町議会が3日に可決した動議に関し、「今月20日までに小泉町長が米ウッドジュニアカレッジの成績証明書を取り寄せるよう求める」という嘆願書を田中正文議長に提出した。

http://mytown.asahi.com/ishikawa/news.php?k_id=18000001012090001

◇◇◇

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北國新聞

◇◇◇

現在の状況・・・小泉町長学位問題

このブログを小泉町長自身が見ているのか?は不明だが、志賀町は新聞でも報道された「町長の学歴詐称疑惑」で2分されてるのだろうし、所謂”小泉町長派”のどなたかがここを眺めて、小泉町長本人に伝わることを期待して書いておく。

米国で、学校が管理する学生の個人情報である、成績等の教育情報の扱いについては、それがみだりに開示されて個人が不利益を被ることが無いよう、連邦法での保護規定がある(Family Educational Rights and Privacy Actー通称FERPA)。

成績証明書をはじめとする個人の教育情報は本人自身か保護者、または本人の承諾、或いは司法の介入等がなければ基本的に開示されないが、これでは社会活動に支障を生じかねないので、卒業(学位)の有無等の確認については、一定の要件を満たせば、相手が本人でなくとも開示が可能とされている。

今回、小泉氏の学位問題については、氏が卒業を主張する「Wood Jr. College」(ウッド短期大学)の教育記録を現在管理しているMillsaps College、Office of Records & Registration(ミルサップス大学レコード管理室)に、オレゴン州ODA(Office of Degree Authorizationー州学位局)を通して問い合わせが為され、「小泉氏はウッド短大を卒業していない」ということが、確認されている。

オレゴン州ODAというのは、所謂ニセ学位の、ディプロマ・ミル問題の究明に熱心に取り組んでいることで著名な公機関であり、その問題の特性から州境を超えて全米、或いは国際的にも活動しており、今回この件でも協力を得ている。

Millsaps College(ミルサップス大学)もれっきとした大学であるから、これら公の機関により確認された事実として、小泉氏本人の、「卒業している」との主張が否定されている。

小泉氏が、「間違いなく卒業」と主張するのであれば、その根拠を示さねばならぬわけだが、唯一確実な根拠として行き着く先は、公的機関が確認したMillsaps Collegeが管理している、Wood Jr. Collegeの成績証明の同じ原簿書類なのであるから、小泉氏にとっては極めて深刻な状況と言えよう。

”中立的な第三者の立場”としての言葉を選べば、「どちらかに虚偽捏造、あるいは事実誤認があると思われる。小泉氏が卒業している事も否定は出来ない」と、あたかも五分五分の状況のような印象になるのだが、小泉氏が卒業していると主張する確実な根拠を何も示せていない現状では、圧倒的に小泉氏は不利な立ち位置にある。

そうゆう問題なのである。

事の深刻さを認識すれば、成績証明書については「対応を考えたい」といった悠長な話ではあるまい。

参考;

Family Educational Rights and Privacy Act (FERPA) GENERAL

http://www2.ed.gov/policy/gen/guid/fpco/ferpa/index.html

PART 99--FAMILY EDUCATIONAL RIGHTS AND PRIVACY

http://www.access.gpo.gov/nara/cfr/waisidx_01/34cfr99_01.html

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オレゴン州ODAが配布しているステッカー。

学位商法の被害から州民を守る、”学位Gメン”と言ったところか。

”学位”を発行する偽装大学の膨大なデータベースを持ち、中に「IOND University」といった名も見える。ODAのこのリストに載るようになれば、この手の”大学”として国際的に認定された一流校となるだろうか(苦笑)。

http://www.osac.state.or.us/oda/unaccredited.aspx

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