Bandoalphaのざっ記ー学位商法問題

主として米国発の真正でない学位や大学などの、所謂「ディプロマ・ミル」、「ディグリー・ミル」の問題を取り上げています。 当ブログ記載事項の著作権は著作者に帰属します。無断での引用は、法の定めるところに則り、各人の責任において御自由にされて下さい。 御意見などございましたらこちらへ。 Bandoalpha@msn.com  Toshi Hino/檜野俊弘

2009年11月

非認定校学位

ハワイ州に於いては、州法に規定された一定のルールを守れば、連邦教育省が認めた認定団体による認定を受けていない”大学”であっても、非認定の高等教育の学位発行機関として限定された学位を発行することは可能なのであるから、イオンドは何故学位発行の法的根拠を保持する努力を惜しんだのか?とも思うのだが。

州法規定のひとつに、ハワイ州内に一人以上の従業員を雇用した事務所を有する事というのがあり、イオンドも一時はホノルルの雑居ビルの一室を借り、中野幾雄が見つけてきたというバーテンダーの女性を従業員として”大学事務所”を構え、”ハワイ事務所”名義の又貸しや、果てはハワイでの”宿泊場所”としての提供を図っていたことはあったが、肝心の現地学生募集に本格的な努力を注いだ形跡は窺えない。

(株)INOD University(日本)の代表取締役だった高橋斎は、元陸上自衛隊2尉で、”情報将校”だったのだという話であるが、イオンドが”IOND University”名の法人をハワイ州に登記した1999年に、ハワイ州当局が近年の学位商法による弊害を認識し、非認定校に関する当該州法規制が強化されたというのも、何かしら間が抜けていて笑えるが、

@学科課程で25人以上のハワイ在住の学生を持つこと。

@法学・医学関係の学位発行は不可なこと。

@「非認定校であり、発行学位は社会で通用しない事がある」旨の表示が要求されていること。

などを考えると、州法を遵守していたのでは「商売にならない」との思いがあったものだろうか。

ハワイ州の非認定校として、内外のUFO研究の同好の士でも集めて、俺はUFO博士、おまえはUFOマスターと、内輪の学位で満足するといった性格のものでは無かったということだろう。

イオンドのサイトを眺めると、300名程の日本人教授陣が名を連ねているが、学生数を上回る教授数だろうか。(http://www.iond-univ.org/professor/index.html

名前がそこには載っていない”登録教授”も多いだろうし、学生を持った場合には報酬を払うといった”歩合給”システムのようであり、名前だけ使われている人もいるようだ。

”イオンド大学名誉博士号”を頻発し、見返りとして”寄附金”を集めていたようだが、寄附金であれば、普通はその性格上、寄附金額は公開し、こういった事業の使途に使われている等報告するであろうが、イオンドの場合そういった情報開示は見たことが無い。

寄附金集めの対象となったのは、事業に成功した中小企業経営の高齢者等の、こういった問題の所謂情報弱者に該当する方が多いのだろうし、中にはホンモノの米国大学からの名誉と信じて、町役場に報告に行った方もおられたようだ。

何の実体も無い”米国の大学”であったことは、当事者のイオンド自身が一番良く知っていたであろうし、こういった詐欺的行為の社会的問題は決して小さい事ではないと思うのだが。

それにしても、全く実体の存在しないものを、”何の問題も無いハワイ州の米国大学”と押し通すイオンドの厚顔無恥ぶりは見事だが、それくらい病的に面の皮が厚くなければ他人など騙せないというところか。

米国での認定団体による認定を受けていない大学等の高等教育機関だが、その質に保障が無いわけであり、奨学金や単位の互換に障害を生じるだろうし、社会の評価も得られないから、余程特殊な事情でも無い限り、高等教育機関は普通は認定を取得するだろう。

非認定校の学位を米国社会で使用することについては、Oregon, Michigan, Maine, North Dakota, New Jersey, Washington, Nevada, Illinois, Indiana, Texasなどは法での規制があるといい、民事訴訟などは何処でも可能性があるから、米国社会で非認定の学位を使用して就職や昇進、金銭的な享受を得る行為はかなりなリスクを伴うだろう。

The Regulation of Post-Secondary Degree Granting Institutions in the State of Hawaii

http://hawaii.gov/dcca/ocp/udgi/regulation?searchterm=diploma+mill

ハワイ州法446E

http://www.capitol.hawaii.gov/hrscurrent/vol10_ch0436-0474/hrs0446e/hrs_0446e-.htm

Educational accreditation-Wikipedia

http://en.wikipedia.org/wiki/Educational_accreditation#Unaccredited_institutions

米国大学の日本校いろいろ

「米国の大学の日本校」と言うのにも、いろいろとあるようだ。

名の通った米国の大学(当然認定校である)がジャパン・キャンパスを開設し、カリキュラムも米国の本校と同じで、米国本校の教授陣を主力に、講義は全て英語で行なわれ、一歩クラスに入ればそこはもうアメリカの大学といったものがある。(http://www.tuj.ac.jp/defaultj.html

クラスは日本人が多いのだろうし、文化や思考の多様性に触れると言う点では本校に比べてハンディがあるかと思ったが、在学生は日本在住の米国人をはじめとした外国人が多いようで、大学院課程に於いては日本人はむしろマイノリティーな存在となっているようだ。(http://www.tuj.ac.jp/about/pdf/factsheetj.pdf

米国連邦教育省の認めた正式な認定団体から認定を受けた米国の大学が、ジャパン・プログラムを開設し、日本の事情を考慮したカリキュラムで、日本校に於いては日本人の日本校教授陣が日本語で講義をし、米国本校の教授(1人?)などの英語での場合には通訳や翻訳が付くといい、日本語での課程修学が可能なものがある。(http://www.csppjapan.com/

学位は米国本校の学位記が授与されるといい、ジャパン・プログラムについても認定団体の同校認定に記載があるようである。(http://registration.wascsenior.org/institutions/affiliation.aspx?accessID=252

法的な面での問題は無いとしても、ジャパン・プログラムでの取得学位が米国大学での学位と”同一”かと言うと、英語でのコミュニケーション能力の保証は無いわけであるから、米国の他の大学や官公庁、一般企業などがこれを”同一”には扱いようが無いであろう。

そのままでは米国の社会では実際に通用するのはなかなかに難しく、日本でのみ通用出来る米国大学の学位保持者が出現しそうである。 教育内容の質についての疑義、議論の生じるところだろうか。

完全に裏社会に入るのだろうが、米国で認定を受けていない実体の無い大学を偽装して、全く価値の無いニセ学位を発行販売する所謂米国のディプロマ・ミルと提携して、その日本校を開設し、米国大学の学位などと称して無価値な称号を発行販売する”米国大学の日本校”がある。

かつて”クレイトン大学”と称するものが存在したが、この類の代表的なところだろうか。(注記: Clayton Universityと綴り、実在する認定大学のCreighton Universityとは全く関係が無い。)

更に、日本に居るものが米国に”○○ University”と言った名称の法人登記を為し、これを”米国の大学である”と称して、無価値なニセ学位等を日本で発行販売するケースがある。

”イオンド大学”などがその代表格になるだろうか。

イオンドの場合は、ニセ学位の発行販売のみでなく、フィリッピン等海外の”提携大学”をも含めた名誉博士や、大学教授といった称号類も販売の対象としており、更に「専門家(医学博士、薬学博士、経済学博士、管理栄養士など)や健康食品に精通した世界レベルのバックアップ教授が多い」「大学ブランドの商品」だと謳う(http://www.geocities.co.jp/Beautycare-Venus/7997/about.htm)”健康食品”の類や株式投資まで扱っていた。

あらゆるモノをカネにしようとの創始者の執着がそこには感じられる。

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週刊ダイヤモンド誌が「大学総力ワイド特集」と言うのを10/31付けで発行しているが、「10万円払えば「名誉教授」?怪しげな学位商法にご用心!」との記事でのイオンド側の最新の”説明”は、「当方は株式会社で、大学ではなくuniversityです。発行しているのは、学位ではなく称号です。名誉教授は学位ではないし、『修士』ではなく『修士相当』と認識しています。実社会の実績を評価したもので、日本の学位として認識していただいているわけではありません」、「名刺や履歴書に『博士』『修士』と学位のように記載したとしても、それは”称号”取得者側の個人責任上のことで、事前に説明しているIOND側は責任をいっさい負いかねます」との不可解なものであったとある。

「未来型大学としてのモデル」「このすばらしい大学」と言う主張からは大分後退してしまったようだ。(http://blog.livedoor.jp/nakasugi_h/archives/55159675.html

付属の”ハイスクール”イオンド大学高等学院などと称するもの(高校でなく高校相当?か?)まであることも記しておかねば、イオンドに失礼だろうか。(http://www.iond-univ.org/high-school/top-menu/

特筆すべきは、イオンドの場合その攻撃性にあるだろうか。

訴訟の恫喝はもちろん、相手が怯む様子が無いと解れば、今度は相手の勤務先や関係先に怪文書を送付し、搦め手で攻める手口は巧みである。(http://iond-univ.org/hibou/dangai.htm

イオンドは、事実を虚偽捏造する事には元々抵抗が無い。 

ディプロマ・ミル問題の権威である小島茂教授や、静岡県立大学のように毅然とした対応が出来るところばかりとは限らない。 サラリーマンや商売をやっている人なら、事勿れ主義の上司や客先に、このような事実を歪曲・捏造した怪文書・怪情報の類を若し流されたら、毅然とした姿勢を維持するのは難しいところだろうか。

「米国の大学の日本校」を騙るものの中には、国際地球○○大学とか称して本部はニューヨーク、ノーベル賞受賞予定の話まで出していたものもあったが、見てみると”日本校”と言うのは、ホリステック療養の按摩屋の自宅の一室というのもあり、こうゆうのは、諸行無常の響きありと言ったところか。

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