Bandoalphaのざっ記ー学位商法問題

主として米国発の真正でない学位や大学などの、所謂「ディプロマ・ミル」、「ディグリー・ミル」の問題を取り上げています。 当ブログ記載事項の著作権は著作者に帰属します。無断での引用は、法の定めるところに則り、各人の責任において御自由にされて下さい。 御意見などございましたらこちらへ。 Bandoalpha@msn.com  Toshi Hino/檜野俊弘

2007年09月

イオンド告訴さるー続

イオンド大学ハワイのホームページを覗いて見た。

http://www.iond-univ.org/hawaii/index.html

最初に飛び込んでくるのがブッシュ大統領とホワイトハウスの写真を使った”NEWS FLASH”と称するもの。

”教育の自由と独立”を叫んでいるようだが、米国で現在の高等教育の認定制度が学問や研究の妨げになっているという話は聞かない。イオンドは人生経験などを評価して学位や称号を発行しているのであり、そもそも高等教育なぞ提供してはいないのだ。

イオンドに対しても、空飛ぶ円盤の研究をしてはいけないとか、なにを教育してはいけない、とはどこの政府も言ってはいない筈である。

イオンドが言いたいのは、”学位発行の自由”であろう。

関係のない余計なことが長々と書いてある。

次に、「イオンドは”ハーバードと同じ”非課税団体である」という宣伝文句。

そしてやっと、ハワイ州法で非認定教育機関に表示が義務付けられている「イオンド大学は教育省が認めた認定団体による認定は受けていない。この学位は社会で通じないかも・・・」という下記表記が出てくる。

「IOND UNIVERSITY IS NOT ACCREDITED BY AN ACCREDITING AGENCY RECOGNIZED BY THE UNITED STATES

SECRETARY OF EDUCATION

Note: In the United States, many licensing authorities require accredited degrees as the basis for eligibility for licensing. In some cases, accredited colleges may not accept for transfer courses and degrees completed at unaccredited colleges and some employers may require an accredited degree as a basis for eligibility for employment.

Pursuant to Hawaii law, we are prohibited from issuing degrees unless, during each academic year in which a student is enrolled, at least 25 students are enrolled in Hawaii. Therefore, there can be no assurance that IOND University can issue degrees, as degree issuance will be subject to continuing compliance with such requirement.」

ちなみに、ハワイ州法446E-2で表記が義務付けられている文言とは下記のものである(The disclosure shall read as follows:)

「(Name of Degree Granting Institution) IS NOT ACCREDITEDBY AN ACCREDITING AGENCY RECOGNIZED BY THE UNITED STATES SECRETARY OF EDUCATION.

Note: In the United States, many licensing authorities require accredited degrees as the basis for eligibility for licensing. In some cases, accredited colleges may not accept for transfer courses and degrees completed at unaccredited colleges, and some employers may require an accredited degree as a basis for eligibility for employment.」

http://www.capitol.hawaii.gov/hrscurrent/Vol10_Ch0436-0474/HRS0446E/HRS_0446E-0002.HTM

イオンドの表記には余計な文言が付け加えられており、これでは話のポイントが分散してしまう。

何でも書けばよいと言うものではない。

州法の主旨を理解し規定に則っているとはいえないであろう。

この表記の下には、「政府機関は高等教育とその活動に関して何時如何なる規制もすべきではない」との州法を真っ向から否定するようなイオンドの主張が、上記446-E2の文言よりも大きな字で記されている。

「 Under no circumstances should, IOND University believes, higher education and its relevant activities be controlled in any form by the government or its accredited organs. IOND University has been striving to keep the higher education completely free and independent in coping with the power against such freedom.」

州法446E-2項では非認定であることの表示について、字の大きさについても規定されている(The disclosure shall be made in a type size as large or larger than any other text)、これも規定に外れていると言える。ポイントは「見る方が一目でわかる様な適切な配慮がされた表示」であることだが(shall be presented in a manner reasonably calculated to draw the attention of the reader.)、とてもそのような配慮がされた表示とは言えまい。

ホームページを一瞥しただけでもイオンドが当該ハワイ州法を尊守しているようには見えない。どころか、その態度はむしろ挑戦的ですらある。

その他諸々の州法に違反する事項については公判の過程で明らかにされていくことと思うが、何より重要な点は、イオンドはハワイ州に於いて教育活動の実績が無いばかりか、「ハワイ州の米国の大学」の名を騙り、利用して、日本に於いて学位・称号の販売行為をしてきたという事実の重みであろう。

イオンド告訴さる

ハワイ州消費者局(The Office of Consumer Protection)が「イオンド大学」を告訴した由。

消費者局はこれまでもハワイ州に法人登録だけして学位を販売する「学位販売業者」を次々と告訴し、潰してきたが、「イオンド大学」にも順番が来、お声が掛かったようである。

http://www.hawaii.gov/dcca/areas/ocp/udgi/lawsuits/

ハワイ州の場合、大学などの高等教育機関としての質を評価しての許認可制度は州にないようで、法人として「XXXX University」などと商務局に登録さえすれば、州法規定の下でだが、学位の発行が可能である。

高等教育機関としての質の評価は連邦教育省に認められた認証団体によることとなるのだが、学位の発行・販売が目的の業者はそんな認定評価は受けないで、どんどんと学位商売することとなる。

州法規定では非認定大学はその旨を常に明示することが義務つけられているのだが、業者としては「米国の大学」が売りであるから、兎角ネガティブな表示は意図的に疎かになりがちである。

州当局から要求があった場合は、在学生の記録等速やかに資料提示する義務も州法に謳われているのだが、出したくないのか出せないのか?業者はこれも疎かになりがちのようだ。

かくして州法に抵触し告訴されることとなる。

「法というのは、私たちの暮らしをスムースにするためにあるのだ」と言った弁護士がいたが、安易な学位販売業者の存在はハワイ州民に何らのメリットを齎さない。どころか、州と連邦の高等教育制度への疑惑・疑問を招き、疵をつけ、ギクシャクさせるだけのものである。

イオンドの場合はそれに+日本での学位商法活動も入るか。

「イオンド大学」がハワイ州に存在しなければならぬ理由は、何ら存在しないであろう。

適正な判決が下される迄、この告訴を支援し、行方を見守りたい。

予告編?

先日報道のあった文科省による海外の不正学位使用に関する実態調査の提出期限が来週早々に迫っているそうだが、この週末は頭を抱えている大学関係者も多いのだろうか?

まさか”予告編”というわけでもあるまいが、海外不正学位の使用例が何件か新聞やネットで報道されている。

1、熊本大学教育学部教授 硯川真旬氏

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/archive/news/2007/08/30/20070830ddp041040021000c.html

パシフィック・ウエスタン大学Ph.Dだそうだが、著書などには「Ph.D.」とのみでパシフィック・ウエスタン大学の名は伏せていたようだ。

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4860150155.html

Wikipediaによれば他にもパシフィック・ウエスタン大学の”同窓生”がいるようである。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%82%B7%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E5%A4%A7%E5%AD%A6

2、福島大学経済経営学類教授 飯田史彦氏

ABCさんの投稿記事だが、こちらはイオンド大学名誉教授との話。

http://mytown.asahi.com/fukushima/news.php?k_id=07000000709070002

新聞記事中「州認証の民間団体が質の保証された大学を認めている」とあるが、基本的には「連邦教育省の認証した民間団体が」認めていると言うところだろう。

飯田氏はオランダに本部を置くIOUという大学の名誉教授でもあるという。

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4569668410.html

こうゆう世界は世界で皆絡みがあるようである。

http://www.news.janjan.jp/world/0709/0709102086/1.php

こうゆう贋物に「生きがい」を持つようでも困ると思うが?

3、諏訪東京理科大学経営情報学部教授 山腰光樹氏

米国クレイトン大学Ph.Dだそうだが、

http://lin.lin.go.jp/alic/month/dome/1997/nov/wadai.htm

現在の同大学のホームページでの学歴は「1970年3月 西南学院大学商学部商学科卒業」とのみ。元Ph.Dか?

http://www.si.suwa.tus.ac.jp/staff/yamakoshi.html

4、九州産業大学商学部教授 秋山哲男氏

この方もクレイトン大学Ph.Dだそうだが、

https://bookweb.kinokuniya.co.jp/hb/wshosea.cgi?W-NIPS=9981992984&BN=OFF

茨城大学教育学部卒からいきなり米国大学の経営学Ph.D、それも米留学の経歴は無いようだから日本に居ながらにしての通信教育でPh.Dとは?

同大が氏の採用時に全く疑問に思わなかったとは考え難いところだが?

氏の採用当時(1996年)、九州産業大学は商学研究科の大学院を新設中であり、マル合教授確保のためPh.D保有の教授が必要だったという背景があるようである。

同大ホームページの大学基準協会による評価の項には平成17年度申請で認定を受けた由と、平成16年度と18年度の自己点検・評価報告書が出ているが、

氏は採用時には既にクレイトン大学Ph.Dの筈であるが、同大の平成16年度自己点検・評価報告書のⅣ-2専任教員個別表(2の11/15ページ)には「茨城大学教育学部卒業」とのみ記載、

http://www.ip.kyusan-u.ac.jp/info/hyouka/h16/c/04_02b_sho.pdf

しかし、平成18年度版になると「クレイトン大学・・・Ph.D」の記載が出てくる(9/12or69ページ)

http://www.ip.kyusan-u.ac.jp/info/hyouka/h18/c/04_02_02.pdf

色々とご都合があった様子が窺える。

本人のみでなく大学当局からもよく事情を聞く必要があるケースのようである。

米国の大学と称するものをはじめ、怪しげな学位モドキの使用はどうも日本の大学内にかなり蔓延っているようである。

文科省としてもこれ以上は放って置けないというところだったろうか

今回の調査によっては文科省サイドの審査等にも疑問の生じるような事例も出るかもしれないが、毅然と対応してもらいたいものである。

日本の高等教育の質を守る必要がある以上、先延ばししたところでいずれは対応せねばならぬ問題なのであるし、”治療”は早いうちが楽なのであるから。


*****追記*****

3、の諏訪東京理科大学教授 山腰光樹氏の経歴、

やまこし みつき









と言うのが「今月の話題」サイトからも消されている。はて?昨日までは出ていたのだが?

ころころ変えられると話が見えなくて困るので保存しておく。

http://www.geocities.com/aspermontone/YamakoshiDo.htm

「Clayton University」と言うのは人生経験等を単位として認定し学位を発行してくれる便利な”大学”だが、勿論連邦教育省に認められた認証団体の認定も受けていない、どころか、アメリカの何処にも大学施設なぞ存在していない”ば~ちゃる大学”である。

留学しようにも留学のしようなど無いのだ。

山腰光樹氏の@今月の話題は、「変化する学歴の諸事情」というところか。

西南学院大学商学部卒、 米国クレイトン大学大学院修了 (Ph.D)

(株)日本能率協会経営コンサルタント等を経て、 平成6年から現職



学位取得代行センター

オンライン学位取得代行センター」というのが大阪にあるそうだ。

http://www.online-degree-japan.com/index.htm

当センターがあなたに代わって学位取得の手続きを全て行います。安全・確実に学位があなたの物になります!!

そうだが、

扱っているのは「アメリカのWalden UniversityとBelford Universityの学位を中心に手続き代行をしております。」とある。

連邦教育省(Department of Education)の認定校検索でチェックして見ると

http://ope.ed.gov/accreditation/Search.asp

「Walden University」というのはミネソタを本拠とする認定校であり、Wikipediaなどを見ると主に社会人を対象として通信教育を行なっている大学である。

http://en.wikipedia.org/wiki/Walden_University

ネット上でもWalden Uのサイトとの矛盾は見当たらない。これであれば普通のアメリカの大学だろう。

さて、「学位取得の代行」とは何なのか?だが、

社会人の方が学位を取るのは大変です。毎週1~2回ご自分の仕事の時間を潰して数年間通いやっと取れるものです。

そんな忙しい方や、学位は持ってないがそれに近い知識・技量のある方のために、当センターではアメリカの大学の学位を取得するお手伝いをしております。

アメリカの大学は日本と違い学位は取得しやすく、殆どの場合学位を手にすることが出来ます。

その手続きは、ご自分でするのはかなり困難ですので、その代行を当センターは行っております」

字の如く代行取得してくれるのであれば、本人は寝て待てばよいのだろうか?

取得学位・費用を見ると医学博士以外であれば525,000円、「その他の費用は一切かかりません」とある。

http://www.online-degree-japan.com/degree.htm

Walden Uの学費を見るとMBAでも$25,000ほどはかかるようであり、これは普通な学費のところだろうから、日本円525,000は破格の特価である。

http://www.waldenu.edu/c/Schools/Schools_8459.htm

この「学位取得代行センター」がWalden Uの学位についても表記通りの費用で扱っているとすれば、「持ち出し」で事業を行なっていることになるのだが?

さて、

もうひとつの「Belford University」であるが、

連邦教育省の認定校検索でチェックして見ても該当が無い。

Belford Uが認定を得ていると言う、「2つの有名なオンライン教育認定機構」だと称する、International Accreditation Agency for Online Universities (IAAOU) およびUniversal Council for Online Education Accreditation (UCOEA)というのも見当たらない。

どうなっちゃてんのかな?だが

Wikipediaで見ると、「人生経験などを単位認定し学位発行するオンライン大学、テキサスに私書箱があって・・・、ただし学位記はUnited Arab Emiratesより郵送されてくる。認定している認定団体が教育省に認定されていない云々」というシロモノ。

http://en.wikipedia.org/wiki/Belford_University

テキサスの”本拠”のほうも今は閉鎖されたようである。

http://www.houstonpress.com/2006-07-20/news/first-degree-fraud/

以前はネバダとかアリゾナにあったとも言うが、現在”本部”は米国以外に所在する”アメリカの大学”である。

ネット上の噂では運営しているグループというのはカラチ?辺りを根城として学位や証書、契約書などの偽造書類を専門に手掛ける連中なのだとの話がある。

Belford Universityの他にも、Rochville Universityや、Ashwood Universityと言う大学も運営しているのだと言う。

博士号でUS$549、修士と博士の抱き合わせ価格でUS$771か。1週間程度で入手というのは話が早い。

http://www.belforduniversity.org/bu/online_registration.aspx

Rochville Universityだと博士号で$599、修士号と博士号の抱き合わせ特価で$769か。

http://www.instant-degrees.net/ID/online_registration.aspx

Belford Uとの価格の差は紙の質だろうか?

しかし、これだけ吹っ切れていればむしろ爽快、と言っては不謹慎か。

「学位取得代行センター」の扱う学位も取得費用等を考えれば、Belford Uのほうが本命になるだろうか

御用とお急ぎである方は、Belford大学がお薦めでっせ、となるわけか。

それにしても、バレた場合の損害を補償するわけでもないようだから、クレジット・カードさえあればネットでUS$600ほどで購入出来るものが50万円以上とはまた随分とぼったくるものである。

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